小泉今日子が今年2月4日、ついに50才になった。そんな彼女の誕生日に合わせて発売された不定期刊行のカルチャー誌『MEKURU』(ギャンビット刊)は、出版不況と言われるなか、あっという間に完売した。今回の大目玉は〈みんなのキョンキョン、誰も知らない小泉今日子〉と題した大特集。小泉がすっぴんで自宅を公開した表紙のほか、母・由美さんが初めてメディアに登場するなど、大きなニュースとなった。
女性アイドルの当たり年といわれる「花の82年」にデビューした小泉今日子。中森明菜(50才)、松本伊代(50才)、早見優(49才)、堀ちえみ(49才)といったスターが同期としてデビューするという、アイドル全盛期だった。
“聖子ちゃんカット”が大流行した当時、同期の面々と同じく小泉も聖子ちゃんカットをしてみるが、ある日事務所にも内緒でショートカットにイメチェン。「アイドル=かわいい」の図式を「アイドルなのにカッコいい」へ塗り替えた。「女性アイドルのメインターゲットは若い男性」なる不文律を、いとも軽やかに乗り越えてみせた。
「小泉さんは、人からどう思われるかということに重点を置いていない。トライしてみて違うと思ったら、すっぱりやめる潔さがある。それが新しいアイドル像として、輝いて見えたんでしょうね」
と語るのは、『小泉今日子はなぜいつも旬なのか』(朝日新書)の著書がある日本文学研究者の助川幸逸郎さん。
「彼女は物にも人にも依存したり、固執したりしない。だけどいいと思ったことはどんどん取り入れて、続けて自分の色にしていく。これは“自分が間違っていなければ、わかってくれる人はいるよね”という周囲への信頼。それがとても強い女性なんです」
『MEKURU』の表紙での小泉は、眉毛が半分のガチなすっぴん。コラムニストの今井舞さんは、ニュースになるほどバカ売れした理由を、彼女の“自然体”とみている。