ライフ

クックパッドにぐるなびも ネット「食メディア」の勝者は

次のメディアは「食」だ

 ネットを主戦場にした「食メディア」が急増している。その背景はなにか。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

 * * *
 この1年ほど、メディアの”食シフト”が加速している。とりわけ急増しているのが、自前のコンテンツを配した、ネットメディアの立ち上げだ。大手Webサービスから老舗の路面店までが、わずか数インチのスマホの画面をめぐって、ユーザーの時間を奪い合っている。

 食メディアのなかでも、早期に自前コンテンツに手をつけたのは、大手レシピサイト「クックパッド」だ。2013年に「クックパッドニュース」を立ち上げ、以降更新頻度を加速させ、現在では一日20本近くのニュース記事を配信するように。さらに2015年には『暮しの手帖』元編集長の松浦弥太郎氏を迎え、「くらしのきほん」というライフスタイル提案コンテンツも発信している。

 飲食店検索サービスの老舗「ぐるなび」も自前のサービスを次々に展開中。ネット界のクリエイターを中心に据えた「みんなのごはん」では飲食店情報にかぎらず、小ネタも含めたグルメ記事を配信している。昨年9月には「dressing」という飲食店を切り口としたライフスタイルメディアを立ち上げた。こちらの執筆陣は、食専門誌などで執筆する重鎮からアーティストまで多士済済である。

 異色なのが、三越伊勢丹ホールディングス(IMHD)が立ち上げた「FOODIE」である。実際の運営にはインフォバーンも携わっているが、あくまでも運営主体はIMHD。「お客さまの購買意欲を喚起する双方向の情報発信機能と、グループ内外のコンテンツを幅広く扱う物販機能を融合させる」と意気軒昂だ。

 昨年、博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所が発表した「メディア定点調査・2015」からは、この10年でのメディア接触時間における「携帯・スマホ」の一人勝ちの様相が伺える。2014年から2015年にかけての接触時間の推移を見ると「テレビ」「ラジオ」「新聞」「雑誌」「パソコン」はいずれも微減。前年比で接触時間が伸びたのは「携帯・スマホ」「タブレット」のみ。両者の合計は、メディア総接触時間の1/4を超えたという。全体のスケールとしてはもはや完全なマスメディア。誰もが「Web」に注力するのは無理からぬことなのだ。

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン