国際情報

空前のクビ切り旋風の韓国 鬱憤晴らしの日本叩きに奔走

韓国の産業は軒並み苦戦 Imagine china/AFLO

 少し前まで、絶好調のサムスンに牽引されて「バラ色の未来」が語られていた韓国経済。しかし、今は見るも無惨な状況になりつつある。元『週刊東洋経済』編集長で、『韓国経済阿鼻叫喚』(アイバス出版)著者の勝又壽良氏が分析する。

 * * *
 韓国経済はがけっぷちだ。半導体・自動車・鉄鋼・造船の4大産業はことごとく苦境に喘ぎ、2014年の韓国内の製造業者の売り上げは1961年の調査開始以来、初めて減少した。2015年のさらなる減少は確実で、1997年のアジア通貨危機以来の瀬戸際にある。一際目立つのは、急成長を牽引したサムスンの迷走だ。事業の「一本柱」であるスマホが汎用品(コモディティ)となり、価格競争力に勝る中国企業に猛追されている。

 ウォン高の進む現在はサムスンだけでなく、現代自動車やSKグループなど財閥系企業の業績が軒並み悪化しているが、彼らは労働組合が強く、年功序列の賃金体系を堅持して赤字でも賃上げする。しわ寄せは弱者に及び、大企業は下請けの部品を安く買い叩き、殿様商売の銀行は中小企業に融資しない。おかげで大企業と中小企業には2~3倍もの賃金格差があり、従業員の勤労意欲を損なっている。

 大企業の減速と中小企業の低迷が韓国経済に与える影響は甚大だ。『朝鮮日報』によれば、韓国の全企業のほぼ4割を占める8万社が「ゾンビ企業」になっている。

 ゾンビ企業とは営業利益で借金の利息を払えない企業のことだ。本業で稼いだカネをすべて借金の利息として支払ってもまだ足りないのだから、さらなる借金で延命するしかない。実質的な破綻企業といえる。

 これまで韓国は中小企業政策金融機関である信用保証基金(信保)が債務を保証し、死に体のゾンビ企業を生き延びさせていた。資本主義のルールで破綻企業は退場すべきだが、韓国は「倒産=冷淡」という感情論が強く、野党や労働組合の反発を怖れた政府が「過保護」を繰り返した。これには財政破綻したギリシャの二の舞いを危惧する声も多い。

関連キーワード

関連記事

トピックス

“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
ジャンボな夢を叶えた西郷真央(時事通信フォト)
【米メジャー大会制覇】女子ゴルフ・西郷真央“イップス”に苦しんだ絶不調期を救った「師匠・ジャンボ尾崎の言葉」
週刊ポスト
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)
大谷翔平、ドジャース先発陣故障者続出で急かされる「二刀流復活」への懸念 投手としてじっくり調整する機会を喪失、打撃への影響を危ぶむ声も
週刊ポスト
単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
NEWSポストセブン