さらにエストロゲンには、バストやヒップなど女性らしい丸みのある体を形成したり、肌や髪の潤いやツヤを維持したりする働きも知られています。このことから、「女性ホルモンを増やせばキレイになれる」と思い込んでいる人が少なくありません。
ですが前述の通り、女性ホルモンの本来の役割はあくまで“生命維持”や“子孫繁栄”。注意したいのは、そもそも動物的な観点からは“体”そのものは「美しくなろう」とは思っていないということです。
思っているのはみなさんの“意識”だけ。単に女性ホルモンを増やしても、美につながらないどころか、健康を損なうリスクがあるということをお忘れなく。
女性ホルモンの分泌は、30才前後をピークにして、加齢とともに減少していきます。
ポイントは、年齢に応じた“適量”があるということ。前述の通り、過剰なエストロゲンが子宮体がんや子宮筋腫の原因になりうることは、医師であれば誰でも知っていること。人為的にホルモンの“適量”を超えることはおすすめできません。
また、エストロゲンとプロゲステロンが規則正しく分泌されていること=ホルモンバランスが整っていることも重要となります。バランスが乱れると、さまざまな不調―たとえば生理痛や疲れやすさ、冷え、便秘、むくみがひどくなるという症状が表れてくるためです。
それだけでなく、放置していくと肌や髪の潤いがなくなり、しわやシミができやすいという“ザ・老化”なダメージが出てきたり、気分が沈みがちになる、集中力がなくなる、怒りっぽくなるなど、精神面に不調をきたすことも考えられます。
現在、こうした症状に悩んでいる人はホルモンバランスを整えると症状が解消されることも多いはずです。
撮影■アンディ・チャオ
※女性セブン2016年3月10日号