IPO環境次第で勝率が80%程度まで落ちる可能性は考えられるが、それでも確率からいえばかなり高い。したがって、今年もIPO投資戦略としては、できる限りブックビルディングに参加してIPO株を公開価格で入手し、上場後についた初値ですべて売り抜けるという短期勝負がまずは鉄則といえる。
一方、初値がついた後に購入してその後の値上がりを狙う「セカンダリー投資」はどうか。セカンダリーはその時の市場環境に左右されやすく、特に今年の環境下でのセカンダリー狙いで勝つためには、銘柄を厳選することが重要になる。その選別基準となるのは、何といっても業績が順調に拡大しているかどうかだ。その上で、外国人投資家が買っていない、外国人が売り浴びせる心配のない中小型株が特に狙い目と考える。
また、昨年までの傾向から判断すると、「調達額が10億円以下の小型株で、マザーズに上場する情報セキュリティ関連銘柄」であれば、セカンダリーでも妙味は大きいと見ている。この条件に合う銘柄が今後出てくるか、注視しておくべきだろう。
◆西堀敬(にしぼり・たかし):1960年生まれ。投資情報サイト「東京IPO」編集長(2002~2015年)を経て、投資情報サイト「IPOジャパン」編集長に。IR説明会、セミナーなども多数行なう。著書に『最新版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』など。
※マネーポスト2016年春号