お金を稼ぐことは経済をまわし、多額の税金を払うことから悪いことではないだろうが、「嫌儲」という言葉も存在するネット上では「悪」とされることもあるという……。この現象は一体なんなのか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、ネットの「稼ぐ人」叩きについて考える。
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「はあちゅう」というフリーの文筆家として食っている30歳の女性が、最近ネットで叩かれまくっている。一部の人にとって「自由な生き方の体現者」や「恋愛の達人」のような見られ方をされ、憧れの存在でもある。金額を聞くのはヤボというものの、相当稼いでいることは間違いない。
バッシングの具体的な言葉には「金の亡者www」「邪悪と欲望の暗黒神」「存分に死を呪われながら生きていただきたい」などで、そのうえで、「こいつはあと数ヶ月もたない」とまで評される。
彼女は2004年、大学1年生の時にブログを開始。当時は顔出しをする女子大生など滅多にいないものだから、IT界隈では一気に有名になった。その後は自己資金ゼロで世界一周をする。多数の企業にプレゼンし、「御社と関連したものを世界一周ブログで紹介しますよ!」と25社から旅費や協賛金の調達に成功したのだ。さらには、この体験を本にする。卒業後は広告最大手・電通に入社し、次はストックオプション付き条件でベンチャー企業へ。
現在は文筆業のほか、テレビのコメンテーター出演もしている。複数のオンラインサロン(ネット上で交流したり、会員限定の文章を読める)を主宰するほか、課金プラットフォーム「note」でも稼いでいる。こうした場で、カネの稼ぎ方や仕事術やプライベートなどを発信し、作家の新しい形を作ろうとしている。
この段階でどう感じるだろうか。「すごい人がいるな。いやぁ、立派」「アクティブだなァ、稼ぐにはそれだけやらなくちゃいけないんだな」か、「小娘のくせにオレよりも稼ぎやがってむかつく」「どうせバカな信者から金を巻き上げてるんだろ、ケッ」となるかのどっちかである。