国内

福島避難住民 ふるさとの人間関係や世代などの分断が心配

 東日本大震災からもうすぐ5年が経つ。復興がすすむなか、元に戻る見込みがない地域がある。福島第一原子力発電所事故による影響を受けた地域だ。諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師は、震災直後から現地を訪れ、避難民も含め検診や保養などの支援活動を続けている。家へ帰れる目処が立たぬまま非難し続ける浪江町の住民たちについて、鎌田氏が報告する。

 * * *
 福島第一原発から20キロ圏内を一部にもつ浪江町。その沿岸部である請戸漁港を初めて訪れたのは、震災後約1か月の2011年4月。復旧作業に当たる人たちの健康状態を診るために、許可を得て入った。当時は津波で流された車や船が、道や田畑に打ち上げられ、壊れた家屋の建材や生活用品がガレキの山を築いていた。

 昨年11月、再び訪ねた請戸海岸は光景が様変わりしていた。防波堤や埠頭の工事が急がれ、一日も早い漁港の再開を目指していた。もちろん、ガレキの山は跡形もない。復興の日は近いのだろうか?

 浪江町は、震災前約2万1000人が暮らしていたが、福島第一原発事故のため町民は全国に散り散りに避難したまま今日に至っている。放射線被曝は深刻で、町の面積の約8割を「帰宅困難区域」が占める。年間積算線量50ミリシーベルトを超え、5年を経過しても年間積算線量が20ミリシーベルトを下回らないおそれのある地域だ。

 残りの2割も、年間積算線量が20~50ミリシーベルトの「居住制限区域」と、年間積算量が20ミリシーベルト以下の「避難指示解除準備区域」である。

 浪江町から北に約10キロ、南相馬市の小高区では、浪江町よりも約1年早い今年4月、住民の帰還を目指している。

 小高区は震災後、食料品店などがなかったが、昨年9月、日用品や弁当などの食料品をそろえた商店が開業した。小高区の出張所もオープンし、そこにはカフェもできた。南相馬市立小高病院では日中のみだが、外来が開かれるようになった。

 除染作業も着実に進んでいるようだ。勉強不足の丸川環境大臣がお騒がせ発言をして撤回した、年間1ミリシーベルトを超さないために、生活圏では毎時0.23マイクロシーベルト以下まで除染するのを目標にしてきた。毎時2マイクロシーベルトという汚染があった地域でも、除染後は毎時0.1マイクロシーベルトまで下がった家も多いと聞く。

 ぼくは、小高区からの避難者が多く住む鹿島区にある絆診療所を何度も訪ねてきた。仮設生活での健康管理について講演したり、栄養士と協力し、仮設住宅の狭い台所でも簡単につくれて健康にいい料理を紹介したりしてきた。

トピックス

都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
中日ドラゴンズのレジェンド・宇野勝氏(右)と富坂聰氏
【特別対談】「もしも“ウーやん”が中日ドラゴンズの監督だったら…」ドラファンならば一度は頭をかすめる考えを、本人・宇野勝にぶつけてみた
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(写真は2019年)
《体調不良で「薬コンプリート!」投稿》広末涼子の不審な動きに「服用中のクスリが影響した可能性は…」専門家が解説
NEWSポストセブン
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”川崎春花がついに「5週連続欠場」ツアーの広報担当「ブライトナー業務」の去就にも注目集まる「就任インタビュー撮影には不参加」
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
広末涼子、「勾留が長引く」可能性 取り調べ中に興奮状態で「自傷ほのめかす発言があった」との情報も 捜査関係者は「釈放でリスクも」と懸念
NEWSポストセブン