投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の3月7日~3月11日の動きを振り返りつつ、3月14日~3月18日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は16500-17000円のレンジ相場が続いた。週初は予想を上回る米雇用統計の結果を受けて、小幅ながら続伸で始まった。その後は前週末に節目の17000円を回復したことで、目先の利益を確保する目的の売りに押される展開となった。その後も10-12月期GDP改定値が予想に反して上方修正されたことにより、月内の日銀の金融緩和の可能性が後退。世界景気の減速懸念のほか、原油先物相場の下落が嫌気される場面も見られたほか、週末の先物オプション特別清算指数算出を控え、これに絡んだ断続的なインデックス売りの影響などもあった。
一方で、ECB理事会での追加緩和政策への期待のほか、来週に控えている日銀の金融政策決定会合やFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を見極めたいとのムードも強く、下を売り込む流れにはならかった。さらに下値では年金資金とみられる買いなども観測され、下支え要因となった。注目のECB理事会では包括的な金融緩和策を決めた。予想を上回る内容であったが、ドラギ総裁は現状の見通しに基づくと、さらなる利下げは想定していないと発言したことが嫌気されるものの、売り一巡後は一時17000円を回復する底堅さをみせた。
今週は14、15日には日銀金融政策決定会合、15、16日にはFOMCを控えている。金融安定化に向けた各国の舵取りに市場の関心が集まりやすいだろう。前週の10-12月期GDP改定値の上方修正で追加緩和の可能性は恐らくないだろう。ただし、ECBが発表した予想外に強力な景気刺激策により、影響を与えると考えられるほか、それほど遠くない時期にマイナス金利の一段の引き下げと資産買い入れ拡大を組み合わせたサプライズが意識されよう。米国については、利上げの確率はほぼゼロと見込まれているが、前週の雇用統計を受けて、次の行動への見通しが注目されるところである。