糖尿病といえば「メタボ」のイメージが強い。確かに若い世代では暴飲暴食など生活習慣の乱れ→肥満→糖尿病というケースが多い。しかし、60歳以上は「痩せ型」でも糖尿病になる人が増えると前出・板倉名誉院長は指摘する。
「60歳以上は糖を消費する役割を持つ筋肉の量が減る一方、目立ちにくい内臓脂肪が増加して、見た目は痩せていても糖尿病の患者というケースが出てくる。内臓脂肪が増えて脂肪肝になると、肝臓が糖を取り込めず糖尿病を発症しやすくなる」
糖尿病は基本的に自覚症状がなく、血糖値などの数値が指標とされることが多い。ただし、高齢者の場合は、いくつかの「兆候」が現われることがある。
「糖尿病に気付かず放置していた高齢者は喉の渇き、1日10回以上の頻尿、全身の倦怠感という3つの自覚症状が出ることがあります。若年者と比較して高リスクですので、そうした症状を感じたら、糖尿病を疑いましょう」(前出・泰江院長)
加えて「急激な体重の減少」にも注意したい。
「生活習慣は変わらないのに1か月で3kg以上の体重の減少があり、倦怠感や頻尿を併発するケースは重症の糖尿病を疑うべき。一刻も早い受診を勧めます」(同前)
※週刊ポスト2016年3月25日・4月1日号