近頃話題のアドラー心理学。オーストリアの心理学者・アルフレッド・アドラーが提唱したもので、この思想をわかりやすく教える大ベストセラー『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)は日本と韓国でともに100万部を売り上げており、あまり本を読まない若い世代を中心に支持された。
アドラー心理学の教えは、身近な悩みもさらりと解決してくれる。具体例をもとに『嫌われる勇気』の著者の1人である心理学者の岸見一郎さんが解説してくれた。
《同じ塾に通っていたのに、他の家の子供は有名校に受かり、ウチの子は落ちました。悔しくて仕方ありません》 (都内在住・48才女性)
岸見さんは「まず、誰が悔しいのかを考えて」と助言。
「子供が悔しいと思うなら、その子がもっと勉強すればいいだけです。ただし、合格した子供を羨むのはNG。本当の幸せは他人との比較で得られるのではなく、自分が満足できるかどうかが大事です」
ここ最近のスキャンダル同様、巷ではこんな悩みを抱える主婦も多い。
《夫が浮気しました。離婚するのか悩んでいます》(神奈川県在住・38才女性)
岸見さんは「重要なのは、あなたはどうしたいのかだ」と言う。
「『別れたい』と望む人は離婚すればいいけど、『夫婦生活を継続したい』なら、夫婦関係を改善すべき。必要なのは怒りや嫉みではなく、無条件に夫を信用すること。“夫が悪い”“私は間違っていない”という考えでは改善できません」