昨年、大流行したガウチョパンツ。ダボッとしたシルエットから、「太って見える」「ダサい」と男性ウケは悪い一方、女性には大人気だった。そんな男女間で視点の大きなすれ違いを生んだガウチョパンツだが、「モテ」も「おしゃれ」も実現するガウチョの進化系、『スカーチョ』が今、トレンドとして人気を集めている。
ファッションは、昨年から“造語系”アイテムがブーム。昨年秋冬に流行したカーディガンのようなコート『コーディガン』に始まり、この春は、テロンとした素材のトレンチの『テロンチ』、スカート見えするパンツで『スカンツ』、スカート見えするガウチョで『スカーチョ』など造語系アイテムがトレンド。ファッションライターの川口ゆかりさんは、こう語る。
「ガウチョも聞き慣れない言葉でしたが、去年の秋ぐらいにコートとカーディガンをミックスしたネーミングのコーディガンが流行ってから、目新しいネーミングをつけるのが流行りという感じがありますね。全国展開しているGUやユニクロ発で、ネーミングも人気も広がっていると思います」(川口さん)
スカンツもスカーチョもスカートのように見えるという点で似ているが、より広がりやフレア感があって、見た目「まるでスカート」なのがスカーチョ。トレンドのとろみのある素材で丈も長めのため、カジュアルなガウチョよりも女らしい雰囲気で着られる。
中村アンやローラなど、有名人もインスタグラムでおしゃれなスカーチョやスカンツファッションを披露している。おしゃれなだけではなく「モテ服」にもなるところが、ガウチョとの大きな違い。しかも、
「最近のモテ服は、意外とスカートではなくてパンツなんです」
と川口さんは語る。
「体のラインが出るワンピースやミニスカといった昔みたいな“ザ・モテ服”は、今はモテないらしいですよ。20代の一部の女の子たちは、合コンのことを『現場』っていうんです。『合コンの服どうする?』じゃなくて、『現場の服どうする?』なら仕事のようで合コンだとわからないと(笑い)。リサーチでそういうリアルな話を聞く中で、今はスカートよりもパンツがモテるということで、雑誌でも『落ち感のあるパンツがモテる』と特集したほど。
ピタッとしたワンピはおしゃれじゃなくて、むしろゆるっとした、下はスカーチョ、上はキャミのオールインワンみたいなのが、おしゃれでかわいいという風潮です。フレアでふわっとしているスカーチョは、揺れる動きが出て女らしい要素があるから、男性ウケしていると思います。スカーチョやスカンツを新しいモテ服として使っている人は多いし、意外と通勤服にもなって使い勝手がいいので、よく売れていますね」(川口さん、以下「」内同)