いよいよ3月28日に、相撲協会の新理事長が選出される。名乗りを上げているのは八角・現理事長(元横綱・北勝海)と貴乃花親方の二人。これまでも双方の熾烈な多数派工作をレポートしてきたが、ここにきて関係者の注目を集めているのが、貴乃花陣営に加わった「元顧問・K」だ。K氏の登場により、この大一番の帰趨が一気に決しようとしている。
春場所中日の3月20日に大阪で開かれた相撲協会の理事会は、場所中では異例の2時間超えの長丁場となった。翌週28日には八角理事長と貴乃花親方がその座を競うとみられている理事長選を控え、関係者の注目が集まっていた。
「というのもこの日、八角理事長の解任を求める『緊急動議』が提案されるという情報が駆け巡ったのです。本番の理事長選を前に、貴乃花親方サイドが八角理事長のイメージダウンを狙って仕掛けるとみられていました」(協会関係者)
しかし、結局動議は出ず。
「投票を力士出身の理事だけでやるのか、外部理事も入れるのかといった、理事長選の方式が議題になりました。貴乃花親方に近いとされる外部理事は、自分たちも投票に加わるべきと主張しましたが、認められなかった。貴乃花派には厳しい結果となりました」
協会関係者はそう説明した上で、「貴乃花親方が『K』と近付くからこうなるんだ。理事会でもKとの関係について批判する意見が出ていた」とこぼした。
実は、この「K」こそ、ドロ沼化する理事長選を左右する“影の主役”ともいえる人物なのだ。
「新理事長は、力士出身の理事10人の互選によって決まりますが、結果に大きな影響を与えそうなのが、K・元顧問の存在です。もともと関西地方の警察に勤めていた人物で、北の湖・前理事長の“右腕”として協会の事務を取り仕切っていました。そのKが、ここにきて『貴乃花理事長』誕生を強力にプッシュしているのです」(協会関係者)
K氏は場所前の3月3日、大阪市内のホテルで開かれた貴乃花一門の激励パーティにも姿を見せていた。
「貴乃花親方は坊主頭に刈り込んで登場し、理事長選に向けた気合いの現われに見えました。一方のK氏は一番の上席に座り、壇上で貴乃花一門の活躍を願う激励スピーチまで行なっており、貴乃花親方とK氏の親密ぶりが印象に残りました」(出席者の一人)
そんな貴乃花親方とK氏の関係が、八角派からの攻撃の的となっている。それもそのはず、このK氏は、相撲協会のパチンコ台ライセンス契約を巡って、「パチンコ機器メーカー関係者から裏ガネを受け取った」人物なのである。