国内

ヒットマンを一言で言えば普段ブラブラして何もしない人

溝口敦氏

 今年は、暴力団対策法成立から25年。昨秋、明るみになった六代目山口組から神戸山口組が分裂した騒動は、以前ならばすぐに抗争へと発展した。しかし今は驚くほど静かだ。暴力団事情に詳しいジャーナリストの溝口敦氏と鈴木智彦氏が、ヤクザは武力を捨てたのかどうかについて論じる。

 * * *
溝口:語弊があるかもしれませんが、山口組分裂騒動をワイドショーや週刊誌で大々的に取り上げるのは、一般の人たちがケンカを見たいから。私たちも含めたみんなが野次馬なんです。

 その観点で見れば、抗争とは暴力団が支払う社会的費用と言えます。抗争では、実行犯が逮捕されたり、多額の見舞金が必要だったり、ときには組織に捜査のメスが入ったりするというコストがかかる。そうしたコストをかけず抗争しない暴力団はバカにされ、誰からも相手にされなくなります。存在意義がなくなるということです。

鈴木:これまで暴力団は多くの事件を起こして、人を傷つけてきた。そうして支払った社会的なコストによって存在してきたわけですからね。

溝口:今はコストをかけたくてもかけられない。かける度胸もないというのが本当のところでしょう。勝負に出るにはみな老境を迎えている。もっとも多かった時期に10万人を超えた日本全国の暴力団構成員は現在約2万人。新たな人材は供給されず、老いさらばえた組織になってしまった。袋小路です。

鈴木:安藤昇が横井英樹襲撃事件(※注)を起こしたのは32歳のときです。実行犯は25歳。それに比べたらおじいちゃんだから、みんな腰が重い。

【※注/1958年6月、実業家の横井英樹氏が金銭トラブルに絡んで安藤組の組員に銃撃された事件。実行犯と、安藤昇組長らが逮捕された】

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン