ビジネス

現役コンビニ店長「私が毎日、廃棄弁当を食べる理由」

廃棄弁当は毎日出る(イメージカット)

 日本全国に5万店以上あり、飲食料品やもちろん、納税や公共料金の支払いに宅配便の取り扱いなど、「社会のインフラ」として、いまや現代人の生活にとって欠かすことのできないコンビニ。しかし、その裏側はあまり知られていない。このほど、『コンビニ店長の残酷日記』(小学館新書)で、コンビニの知られざる内幕や、そこで日夜繰り広げられるトンデモ客との攻防などを書いた著者で現役コンビニ店長の三宮貞雄氏に話を聞いた。

 * * *
「この本を書いたきっかけは、コンビニという社会インフラが現代日本社会にとって必要不可欠な存在になりましたが、その実情は知られていません。365日24時間営業の実態や、そこに関わる人間模様をみなさんに知ってほしいとの思いから執筆しました」

──仲間であるはずのスーパーバイザー(SV)に苦しめられるとは意外です。

「もちろん、中にはこちらのことを親身になって考えてくれるSVもいるんですが、自分のノルマを達成することだけを考えて、加盟店に無理な発注を強要してくるSVも多いんです。フランチャイズのコンビニオーナー(店長)と本部との契約は有期契約です。悪いSVになると、契約解除権や契約更新拒絶権をちらせつかせながら、推奨商品の大量発注や季節ごとのキャンペーンへの協力などを求めてくる。こちらは契約解除されるのが怖いから、ついつい唯々諾々と従わなくてはならないというのが実態です」

──キャンペーン商品にはノルマがあるとか。

「今年2月、ネットで、あるコンビニでの“恵方巻き大量破棄事件”が話題になりましたが、氷山の一角です。やはり悪いSVが大量発注をごり押しした結果、そんなに売れずに廃棄するしかないわけです。ただ、廃棄した分はすべて加盟店の負担になるから、どうしても店長自ら、そしてアルバイト従業員へのノルマが課せられてしまう。ノルマが達成できないと、自腹で何本も恵方巻きを購入するハメになります。このことを業界用語で“自爆”と呼びます」

──廃棄と聞くとお弁当などが思い浮かぶのですが。

「お弁当など消費期限が短い商品は、たとえばスーパーマーケットなどだと“タイムセール“で消費期限が近づくたびに値下げして売り切っていますよね。ときには半額セールとかしてまで。ところが、コンビニではこれが認められていないのです。そして、廃棄した商品は普通の会計では売上から引く”売上原価“に含まれることが普通です。しかし、コンビニ会計という特殊なシステムでは廃棄弁当は”営業費“から引かれてしまう。つまり、店の負担となってしまうのです。だから、私などはほぼ毎日、廃棄弁当を食べて生活費を浮かせています」

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン