待機児童問題を議論する国会議員や省庁の役人たちが子供を預けている「超豪華」な保育所があることをご存じだろうか。子供を保育所に預けられるかヤキモキしている保護者たちを尻目に、この格差、ひどすぎないか。
「保育園落ちた日本死ね!!!」の匿名ブログへの共感から湧き上がったママたちの怒りがいまや山を動かしつつあるが、待機児童解消の旗手として一躍「時の人」となったのが山尾志桜里・代議士だ。5歳の男児を持つ山尾氏はこのブログを紹介し、国会で待機児童問題を追及、当選2回生ながら民進党が結成されると政調会長に大抜擢された。
だが、署名に応じた2万人以上のママたちのほとんどが、実は議員会館の中に高度なセキュリティで守られた「豪華保育所」があり、山尾氏はじめ国会議員、秘書たちが恩恵を受けてきたことを知らないだろう。
キッズスクウェア永田町──衆院第二議員会館の地下3階に、そんな文字がドアに書かれた部屋がある。東京都の認証保育所で、総面積は約275平方メートル。屋外には154平方メートルの天然芝の園庭を備えており、山尾議員もここを利用していることを認めている。
議員会館に「国会保育所」がある一方で、霞が関には「役人専用の特権保育所」が整備されている。
厚生労働省の本庁舎(中央合同庁舎5号館)には、安倍政権の「女性が輝く社会」政策に合わせて2014年12月に「ふくろう保育室」がオープン。開所式には塩崎厚労相が出席し、「女性の活躍促進、両立支援は安倍政権の重要施策だ」とぶちあげた。この保育所、厚労省の職員のための事業所内保育所で、認可を受けている。
「定員19人のうち、従業員枠の14人は基本的に厚労省職員の子供を預かります。認可保育所なので残り5人が千代田区民のお子さんを預かる区民枠になっている。現在は区民枠に1人空きがあります」(厚労省福利厚生室)