2000年にシングル『Close TO Your Heart』でデビュー。その後、アニメ『名探偵コナン』のテーマソングをはじめ、数々のヒット曲を生み出した愛内里菜。しかし、甲状腺の病気を理由に、6年前に歌手活動を引退した。現在、改名して垣内りか(35才)となり、歌手活動を再開した彼女が、当時の苦悩やデビュー時の体験を語った。
――デビュー後、多忙な日々の苦労を教えてください。
垣内:2か月に1回のペースでシングルをリリースしていたんですが、それが“愛内里菜”というアーティストに課せられた決まりだったんです。だからスタジオにこもって、作品をひたすら作り続けていました。とにかく2年間は制作に明け暮れていたので、昼とか夜とか、時間を感じる余裕がありませんでした。
――家に帰れないぐらいの状況だったんですか?
垣内:たまにスタジオに泊まっていました。ソファーに横になって、持っていたジャケットを羽織ったりしてスタジオで寝ていたら、事務所の社長に「帰れよ」と注意されました(笑い)。
1日泊まったら、次の日はさすがに帰っていました。でも家には寝に帰るだけって感じで、起きたら事務所に行って、色んな確認ごとをして、夜になったらスタジオに入って、明け方3時4時までスタジオにいました。
その頃は若かったので、寝なくても、食べなくてもいけたんですよ(笑い)。歌い始めると食べられなくなるタイプなので、軽食を用意してもらって、合間につまんだりしました。
―― 一番つらかったことは?
垣内:私は歌詞を全曲書いているんですけど、歌詞を書くのが得意じゃなかったんです。「曲か歌詞か、どっちか書いて“自分の曲”を作ったほうがいいよ」とプロデューサーに言われたので、歌詞に決めたんですけど、歌詞を生み出す作業が大変でした。最大1か月書けないこともありました。
――華々しくデビューした印象がありますが、金銭面で苦労したことはない?