国内

餃子の王将から170億円流出 闇社会に通じた大物の人物像

本社前を掃除する故・大東隆行氏

 2013年末に「餃子の王将」を展開する王将フードサービス(以下、王将)の大東隆行・社長(当時)が京都の本社前で射殺された衝撃の事件。重要な証拠品が次々と見つかっているにもかかわらず、2年以上経ってなお犯人逮捕には至っていない。射殺事件への反社会勢力の関与が報じられる中、王将の創業家と深い関係にあった、「ある人物」に焦点が当たっている──。

 射殺事件からちょうど丸2年が過ぎた昨年末、事件現場に残されていた「たばこの吸い殻」に付着した唾液のDNA型が九州の暴力団関係者のものと一致していたことが明らかになった。

〈(京都)府警は、大東さんが暴力団やそれにつながる人物とのトラブルに巻き込まれて狙われたとの見方を強める〉(2015年12月13日付、朝日新聞)などと報じられ、事件と闇社会の接点が浮上。報道を受けて王将側は今年1月、自社と反社会勢力の関係を調査する第三者委員会を設置した。

 その第三者委が3月末に報告書を公表。そこでフォーカスされたのが、王将の創業家と密接な関係にあった70代ゴルフ場経営者の「A氏」だ。

 報告書は、王将が1995~2005年にかけて、A氏が関係する企業グループと取締役会の承認を経ない不適切取引を繰り返していたことを明らかにした。その総額は260億円に上り、うち約170億円もの資金が回収不能になっている。

 A氏が王将からカネを吸い上げた過程が報告書には詳細にまとめられている。

 たとえば1995年には、A氏の関連会社が所有するハワイの高級住宅街にある土地建物を王将側が18億円で購入。この際、取締役会の議決はあるものの、購入理由の記載はない。王将は子会社を介してこの土地建物を転売するが、売却価格は約6億円にしかならなかった。

 1998年には、A氏のゴルフ場運営会社に子会社を通じて185億円を貸し付けているが、やはり王将側の取締役会の議決に理由は記載されていなかった。結局、この貸し付けは一部しか返済されず、2005年に王将は約40億円を債権放棄した。

 およそ上場企業とは思えない巨額の資金流出。その中心にいたA氏とは一体、何者なのか。

関連記事

トピックス

広末涼子容疑者(写真は2023年12月)と事故現場
《広末涼子が逮捕》「グシャグシャの黒いジープが…」トラック追突事故の目撃者が証言した「緊迫の事故現場」、事故直後の不審な動き“立ったり座ったりはみ出しそうになったり”
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
「全車線に破片が…」広末涼子逮捕の裏で起きていた新東名の異様な光景「3kmが40分の大渋滞」【パニック状態で傷害の現行犯】
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
広末涼子(時事通信フォト)
【広末涼子容疑者が逮捕、活動自粛発表】「とってもとっても大スキよ…」台湾フェスで歌声披露して喝采浴びたばかりなのに… 看護師女性に蹴り、傷害容疑
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン