ビジネス

レクサス 逆張りの発想でドイツ車御三家の牙城崩した

レクサス「NX」のデザインはライバルの欧州メーカーも称賛

 大手自動車メーカーの高級車といえば、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディと、いずれもドイツメーカーが圧倒的な存在感を発揮し続けているが、近年、これらジャーマンスリーと呼ばれる御三家の一角に食い込んでいるのが、トヨタ自動車の「レクサス」だ。

 レクサスはもっとも安い小型車種で約366万円、上位クラスともなると軽く1000万円を超えるトヨタのプレミアムブランド。日本での販売は2005年より開始され、直近では年間4万8000台(2015年)の販売台数を記録する。

 もちろん価格が高いだけに、トヨタの全乗用車に占めるレクサスの販売シェアは4%弱しかないが、ジャーマンスリーと比較すると、アウディ=2万7760台、BMW=4万7158台を抜き去り、輸入車販売トップのメルセデス・ベンツ=6万4001台にじわじわと迫っている。

「長年、メルセデスやBMWにしか興味のなかった富裕層がレクサスに乗り換えるケースが増えている」(都内の輸入車販売店)との話も聞こえてくるが、それが本当なら、ブランド信仰の根強い日本で、レクサスが海外の高級車ブランドを上回るステータスを得つつある――ということなのか。

『レクサス トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(井元康一郎著/プレジデント社)で監修を務めたジャーナリストの福田俊之氏が語る。

「ブランド力という点ではレクサスは歴史も浅いだけに、まだまだジャーマンスリーに比べて見劣りしますが、昨年VW(フォルクスワーゲン)が排ガス不正問題を起こしたように、ヨーロッパ車に対する信頼が少し揺らいでいることは事実です。

 また、最近のベンツやBMWは日本市場向けにエントリークラスの小型車を出しているので、エンブレムだけ大きな“ミニベンツ”“ミニBMW”がたくさん街中を走るようになりました。『Sクラス』(メルセデス)や『7シリーズ』(BMW)に代表される大型の最上位モデルからカジュアル化の方向に向かうことで、全体的な高級ブランドのイメージが薄れているのかもしれません。

 一方、レクサスには『あのトヨタが豊富な開発力で最先端技術を詰め込んでいる高級車なのだから、選んで失敗はないはず』という絶大な信用力があります。それでいて、デザインも独創的。他の人とは違うクルマに乗って注目されたいという高級車ユーザーの心を巧みに捉えています」(福田氏)

関連記事

トピックス

ファンから心配の声が相次ぐジャスティン・ビーバー(dpa/時事通信フォト)
《ハイ状態では…?》ジャスティン・ビーバー(31)が投稿した家を燃やすアニメ動画で騒然、激変ビジュアルや相次ぐ“奇行”に心配する声続出
NEWSポストセブン
山口組も大谷のプレーに関心を寄せているようだ(司組長の写真は時事通信)
〈山口組が大谷翔平を「日本人の誇り」と称賛〉機関紙で見せた司忍組長の「銀色着物姿」 83歳のお祝いに届いた大量の胡蝶蘭
NEWSポストセブン
20年ぶりの万博で”桜”のリンクコーデを披露された天皇皇后両陛下(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
皇后雅子さまが大阪・関西万博の開幕日にご登場 20年ぶりの万博で見せられた晴れやかな笑顔と”桜”のリンクコーデ
NEWSポストセブン
朝ドラ『あんぱん』に出演中の竹野内豊
【朝ドラ『あんぱん』でも好演】時代に合わせてアップデートする竹野内豊、癒しと信頼を感じさせ、好感度も信頼度もバツグン
女性セブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン
高校時代の広末涼子。歌手デビューした年に紅白出場(1997年撮影)
《事故直前にヒロスエでーす》広末涼子さんに見られた“奇行”にフィフィが感じる「当時の“芸能界”という異常な環境」「世間から要請されたプレッシャー」
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下は秋篠宮ご夫妻とともに会場内を視察された(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
《藤原紀香が出迎え》皇后雅子さま、大阪・関西万博をご視察 “アクティブ”イメージのブルーグレーのパンツススーツ姿 
NEWSポストセブン
第三者委員会からハラスメント被害が蔓延していたと指摘されたフジテレビ(右・時事通信フォト)
《フジテレビの“あしき習慣”》古くからあった“女子アナ接待”の実態、仕切りは人気ドラマのプロデューサー スポーツ選手との関係構築のため“利用”するケースも
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
【独自】「弟がやったことだと思えない…」中居正広氏“最愛の実兄”が独白30分 中居氏が語っていた「僕はもう一回、2人の兄と両親の家族5人で住んでみたい」
NEWSポストセブン
新田恵利(左)と渡辺美奈代があの頃の思い出を振り返る
新田恵利×渡辺美奈代「おニャン子クラブ40周年」記念対談 新田「文化祭と体育祭を混ぜたような感覚でひたすら楽しかった」、渡辺「ツアーも修学旅行みたいなノリ」
週刊ポスト
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト