芸能

上條恒彦 満足いかないから芝居は絶対に飽きない

芝居について語る上條恒彦

 歌手としてヒット曲に恵まれた上條恒彦に、俳優の仕事が依頼されるようになった。出演ドラマで共演した名女優に頼まれたことがきっかけで始まった歌う芝居、今も続くミュージカルでの芝居について上條が語った言葉を、映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』からお届けする。

 * * *
 1973年の連続ドラマ『遥かなるわが町』(TBS)は、上條恒彦にとって初めての本格的な俳優仕事となった。本作では劇団民藝の名女優・北林谷栄が彼の母親役で出演した。

「北林さんはプロイスラーというドイツの児童文学者の『大どろぼうホッツェンプロッツ』という有名な童話をパロディにした戯曲をお書きになっていました。これをなんとか公演したいと思われていて、僕に『上條君、あなた作曲できない?この戯曲に五、六曲、歌があるんだけど』っておっしゃる。『ぜひ、やらせてください』とお引き受けしたんです。

 その時は『重ちゃん(宇野重吉)が歌うんだから、難しくしちゃダメよ』と言われていたんですが、公演が実現する運びになったら『重ちゃん忙しくてできないから、あなたがやって』って。主役ですから、エラいことになったと思いました。でも、もう行きがかり上、断れませんでした。

 この時は米倉斉加年さんが魔法使いの役で出られていて、メーキャップのことから、すべて教えてくださいました。僕がビビっていますと、『ジョーさん。芝居も歌も同じだよ。ジョーさんは立派に歌ってきたんだから、ビクつくことはない。歌の時と同じようにやればいいんだよ』っておっしゃってくださいまして。それで、歌はこうだとか、芝居はこうだとか、あまり考えないでいこうと思うようになれました」

 1976年『PIPPIN』でミュージカルに初出演。続いて松本幸四郎主演『ラ・マンチャの男』では1977年から現在まで、牢名主の役で出演している。

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン