フジテレビの日曜夜9時に、3年ぶりにドラマ枠が戻ってきた。第1弾は、芦田愛菜とシャーロット・ケイト・フォックスによるW主演のホームコメディ『OUR HOUSE』。脚本は『101回目のプロポーズ』『ひとつ屋根の下』などで知られる野島伸司氏で、力の入れようがうかがえる。それもそのはず、裏には『半沢直樹』や『JIN-仁-』など、高視聴率を叩きだしている、TBSの日曜劇場が待ち構えている。なぜドラマ枠が復活したのか、今回のドラマの裏話などを、プロデューサーの太田大さんに聞いた。
――『Dinner』以来3年ぶりに復活したドラマ枠ですが、復活した理由は?
太田:時の編成など色々とありますが、いちプロデューサーの目線から申し上げると、日曜の夜に、ご家族揃って見ていただくのにふさわしい番組として、ドラマも適しているのではと思っています。
――野島伸司さんに脚本を依頼した経緯は?
太田:野島さんはエッジが立ったものを書かれるイメージが強いのかもしれませんが、弊社でいえば、大ヒットしたホームドラマ『ひとつ屋根の下』を書かれた方です。『ひとつ屋根の下』が持つ、明るさと熱さと絆と愛情。そういうものを今回も作りたいと、野島先生にお願いしました。
野島さんは、「子供視点を見せたい」とおっしゃっていました。今回は、母親の死後ほどなくして、父親が再婚相手を連れて帰ってきます。その時、子供はどう思うんだろうという反応から、親子の絆を描いていったら面白いよね、と。
――今回は、どのあたりに野島さんらしいエッジが表れていますか?
太田:芦田愛菜さんが演じる桜子は、家を鬼軍曹のごとく取り仕切っている長女です。しっかり者なので学校の先生にも頼られて、とあるクラスメイトと話をします。そのクラスメイトと芦田さんが交わす会話が、哲学的というか文学的というか。
桜子が説得しているはずなのに、いつの間にか桜子が抱えている家庭の問題などをクラスメイトに話していくうちに、桜子が徐々に癒されていく、という展開になるんです。そういう緩急のつけ方、切り替えの仕方というのは、野島さんの技巧の高さだと思います。
――ホームコメディというと、同じ枠だった『マルモのおきて』を思い出します。