物の置き場所を決めることで、好ましい習慣が自然と身につくと語るのは、風水建築デザイナーの直居由美里さん。禁煙やダイエットなどを無理なく続けるポイントを教えてもらった。
* * *
新年度が始まって半月ほどがたち、そろそろ新しい生活に慣れてきたところでしょうか。そして「4月から心機一転、新しいことを始める」と決意した人は、うまく続いているでしょうか。
思い返せば、お正月にも一年の誓いを立て、いつの間にかうやむやになってしまったのでは? そして、お正月や新年度を迎えるたびに同じことを繰り返しているのではないでしょうか。
意志が弱いと言ってしまえばそれまでですが、意志の力に頼りすぎるのは危険です。禁煙しようとしてもたばこに手が伸びてしまう人、週2回は休肝日をつくるはずなのに毎日飲んでしまう人はたくさんいます。基本的に人間は誘惑に弱いものです。
そこで皆さんに試していただきたいのは、環境を変えて理想の生活に近づくことです。風水とは身のまわりを整える環境学です。風水を実践することで運気が上がるのは、意志の力が弱くても環境に助けられて自分を変えることができるからです。
たとえば、お酒がやめられず二日酔いの状態で会社に行き、仕事に集中できないという人。「今日は飲むのをやめよう」と決意しても、帰宅して冷蔵庫の中にビールが冷えていれば、つい手が伸びます。一缶を飲んでしまえば、罪悪感を打ち消したいために、もうどうにでもなれと次の缶も飲み干します。
あるいは、ダイエットを決意したのに、目の前においしそうなケーキやクッキーがあれば、「明日からにしよう」となるのも当然です。
これらの問題行動の解決策はとても簡単です。家の中にお酒やお菓子を置かないことです。わざわざ外に出て買いに行くというハードルがあれば、「それなら今日はやめておこう」という気になる確率はかなり高いのです。