テレビ番組や雑誌でよく特集される「血液サラサラ」理論に疑問を呈する『血流がすべて解決する』(サンマーク出版)が話題を集めている。その著者で漢方薬剤師の堀江昭佳氏は島根県・出雲大社の表参道で90年続く漢方薬局の薬剤師として、多くの人々の体の悩みと向き合ってきた堀江氏の著書は増版を重ね、4万5000部のベストセラーとなっている。
堀江氏は同書で人間の体調不良の原因のほとんどが「血流の悪さ」にあり、それを良くして「血流たっぷり」にすれば症状は改善すると説いている。良い血流を取り戻すのには筋肉トレーニングが有効だという。堀江氏が指摘する。
「鍛えるのは表層の筋肉ではなく、インナーマッスルです。肋骨と骨盤の間、内臓の入っている空間の部分を腹腔といいますが、これを囲む4つのインナーマッスルを鍛えると腹 に適正な圧をかけることができ、内臓を正しい位置に収めることができる」
内臓が所定の位置に収まると胃腸の働きが活発化。血をつくり、増やし、流すというサイクルを取り戻せるという。また睡眠も血流を良くする重要な要素である。
「夜11時までに寝るのが理想です。漢方では、すべてのものに陰と陽があると考え、深夜0時を挟んだ2時間は、体の陰と陽が入れ替わる時間帯で、その時間に眠っていることが重要なのです。陰と陽の入れ替わり後の深夜1~3時が血をつくる時間です。この時間に寝ていないと血がつくれないだけでなく、血の浄化もできないため、あらゆる病気を引き起こす原因となります」(堀江氏)
現代医学では睡眠のゴールデンタイムは深夜0時を挟んで前後4時間とされるが、遙か昔から漢方ではそのことを指摘していたのだ。
これらの実践で「つくる、増やす、流す」を実践して手に入れた「長生きする血」──この血はどんな病気や症状に効果があるのだろうか。堀江氏は言う。