美容整形――ヒアルロン酸やボトックス注射1本で理想の鼻、フェイスライン、20代のころと同じようなシミ・しわ・たるみのないぴかぴかの肌が手に入る。しかも値段はといえば、毎週エステに行ったり、高級化粧品をフルラインでそろえることを考えれば、割安だったりする。
その歴史は、紀元前600年頃、古代インドにまで遡る。囚人の処罰として、鼻をそぎ落とす風習があり、その囚人たちが罪を償って社会復帰する時に、鼻を復元したのが美容整形のルーツといわれている。
美容整形が医学として発展するのは1800年以降。日本では、1875年に、ヨーロッパから美容整形の技術が伝わり、形成術と呼ばれるようになったのが始まりだ。1920年頃には、一重まぶたを二重にする重瞼術や、鼻を高くする隆鼻術が行われるようになり、美容整形が一般に広がっていくのは1970年代末。女性が経済力を身につけ、若さや美も“買う”対象となった。
日本の美容外科業界を牽引する高須クリニック・高須克弥院長は、美容整形の歴史的分岐点を「プチ整形」という。2001年、高須院長が『女性セブン』の誌面上で初めて使ったこの言葉は、あっという間に女性たちの間に浸透し、翌2002年の流行語にもなった。
そして今、美容整形はメイクやファッションの延長で誰もが気軽に体験できるものに。どのクリニックへ行くか、注射はヒアルロン酸にするかボトックスにするか、いつから何回するか…患者がライフスタイルに合わせて自由に選択できる。
本誌が、30~60代の各世代100人にアンケートをした結果、「あなたは何かしら美容整形をしていますか?」の問いに、「はい」と答えた人が4.2%。また「いいえ」と答えた人に、「お金があれば美容整形をやってみたいですか」と聞いた結果は「はい」と答えた人が26.6%となった。