ビジネス

家電量販店の新値引き術 店舗サイトやコンシェルジュ活用を

安売りを競う家電量販店のチラシ

 GWの連休を利用して、壊れかけの電化製品を買い替えようと“家電量販店めぐり”を計画している人は多いだろう。だが、近ごろ「値引き交渉」に応じる量販店もめっきり減った。

「ウチは冷蔵庫や洗濯機、大型テレビなどの大物家電を買うときは、決まって近所の量販店に行きます。価格決定権を持っていそうな『ナンバー2店員』と顔なじみなので、いつも店頭表示価格より大幅に安くしてもらっていたんです。

 でも、最近はせいぜいポイント還元分か消費税分ぐらいの現金値引きしかしてもらえません。欲しい製品が決まっていれば『価格コム』など比較サイトの最安値をチェックして交渉材料に使ってみるのですが、『そこまで安くするのは絶対に無理です』と、きっぱり断られることもあります」(神奈川県在住の40代会社員)

 ネット上ではリアル店舗を持たない通販業者が激安家電を数多く売っているため、この会社員のように量販店で商品説明を聞き、価格交渉をした挙げ句に購入するのはネット通販から──という人が増えたのは事実だろう。

 量販店もこうした“ショールーム化”による顧客離れを防ごうと、2012年ごろにはヤマダ電機やヨドバシカメラ、ビックカメラなどで〈ネット価格にも対抗します!〉と派手な値下げ競争を繰り広げた。

 ところが、「ネット専業の中には、正規ルートではなく他店で売れ残ったセール品や在庫品を大量に仕入れて格安で売る業者もいる。価格で勝負できるはずがなかった」(大手家電量販店)との反省どおり、過度な安売りで業績を落とす店が続出したため、いまは各量販店ともネット価格は参考程度にとどめている。

 では今後、量販店では“おトク”な買い物ができないのか。IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志は「うまく攻略する方法はある」とアドバイスする。

「値引き交渉で重要になるのが、通販専業ではなく家電量販店が手掛ける通販サイトの価格。例えば『PCボンバー』や『パソコン卸売りセンター』のようなネット専業店は交渉材料になりませんが、ノジマの『ノジマオンライン』や上新電機の『Joshin web』などは家電量販店なので参考になります。特にヤマダ電機は他店対抗を打ち出しているので交渉しやすいでしょう」

関連キーワード

関連記事

トピックス

被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
フジテレビの取締役候補となった元フジ女性アナの坂野尚子(坂野尚子のXより)
《フジテレビ大株主の米ファンドが指名》取締役候補となった元フジ女性アナの“華麗なる経歴” 退社後MBA取得、国内外でネイルサロンを手がけるヤリ手経営者に
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
6月にブラジルを訪問する予定の佳子さま(2025年3月、東京・千代田区。撮影/JMPA) 
佳子さま、6月のブラジル訪問で異例の「メイド募集」 現地領事館が短期採用の臨時職員を募集、“佳子さまのための増員”か 
女性セブン
〈トイレがわかりにくい〉という不満が噴出されていることがわかった(読者提供)
《大阪・関西万博》「おせーよ、誰もいねーのかよ!」「『ピーピー』音が鳴っていて…」“トイレわかりにくいトラブル”を実体験した来場者が告白【トラブル写真】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン