4月から「大坂編」に入り、視聴率好調のNHK大河ドラマ『真田丸』。三谷幸喜・脚本が描く武将たちのキャラクターが魅力的だ。戦乱の世を生き抜いたその「末裔」を訪ねた。第14話から登場したのが、関ヶ原の戦いで西軍(反徳川)の中心的存在となった石田三成(山本耕史)だ。
「これまでNHKの大河ドラマ『太閤記』(1965年)での石坂浩二さんを始め、民放の連続ドラマ『関ヶ原』(1981年~、TBS系)では加藤剛さんなどが演じてきました。どの石田三成も美男子で頭がいいんだけど、冷血で人から好かれない性格。だから三成公のイメージはすこぶる悪いんです」
石田家15代目当主石田秀雄氏(66)はそう語り、うなだれる。
「去年の『石田三成祭』(滋賀県長浜市)に出席してくれた山本耕史さんには、『三成公のイメージアップのために精一杯がんばってください』とお願いしたんですけど……ドラマの中ではトゲのあるセリフが多いですよね(苦笑)」
実際、14話で真田信繁は「なぜだろう、人を不愉快にする何かをもっている」と三成を評する。
石田家は4代目からは武家の家柄を捨て、庄屋として家督を継いだ。それが生粋の血を残すことに役立ったのだと秀雄氏はいう。
「武家の場合は養子などで家督を継いでいくのですが、庄屋はそんなことはしません。だからこそ三成のDNAがそのまま繋がっているのです」
ただ、迷惑な性質も引き継いでしまったとか。
「石田三成は関ヶ原の戦いでお腹を下していたそうです。これが我々にまで受け継がれ、石田家の男子はみんなお腹が弱い。石田家では“三成腹”と呼んでいます。私や父もそうですが、受験の前日とかに限って下すんですよね(笑い)」
※週刊ポスト2016年5月6・13日号