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女性作家が熟年婚活パーティー突撃 大食いへの執着にタジタジ

 寿命の伸びや未婚率・離婚率の上昇で結婚相手を求める男女は高齢化し、婚活サービスは多様化した。いまでは中高年のみを対象にしたお見合いパーティーも数多く行われている。バツ2のノンフィクション作家・黒川祥子氏(56)が、とある「熟年パーティー」に突撃した。

 * * *
 日曜の昼下がり、渋谷東武ホテル地下宴会場。受付開始と同時に、押し寄せる中高年男女。13時から始まる「春らんまん 熟年 お見合い大パーティー」の参加者たちだ。主催は、“国内最大級の熟年の婚活の会”と銘打つ「三幸倶楽部」。

 私も列に並んだ一人だが正直、Uターンをして帰ろうかと思った。男性はほぼ白髪で禿げ上がり、小太りで、杖をつく人も。主に70代。

 くらくらする思いで会場を見渡す。ここは敬老会? 女性も主流は60代で、私より若いと思われる女性は3人ぐらい。ゴージャスなドレスの恰幅のいいマダムに、桜色のジャケットなど女らしい色使いの熟女に、少数ながら和服姿も。

 女性のオシャレ度に比較すると、男性はくすんでいる。パーティーなのに、ジャケットすら着用せず、「これから競馬場へ?」という男性が結構いる。清潔感のある服装で、女性に不愉快な思いをさせない気遣いがないのだろうか。

 10人ほど座れる円卓が20ほど。この日の参加者は男性86名、女性59名。ジャケット着用率が高く、「おじいさん」臭があまりしない男性の比率が高いテーブルを選んで座る。

「今日、初めてなの? 何番?」

 隣から声がかかる。60代前半だろうか、参加者の中で若手の方。誰を選ぶか決めるため、名簿の番号チェックは必須らしい。

 開始10分前、ターンテーブルにサラダとサンドイッチが運ばれるや、幾つもの手が伸び、ターンテーブルが回され、男性も女性も黙々と食べ始める。目の前の光景が信じられない。乾杯もしていないのに。隣の男性曰く、「早い者勝ちだから、早く食べなよ」。マナーも何も関係なく貪りつくって、本当にお見合いなの?

 13時、ようやくパーティーがスタート。最初の1時間は会食タイム。栓を抜かれた瓶ビールがどんどん運ばれてくる。

「ビールはこれしか出ないの。あとはセルフで水割りを持ってくる。だけどこの会は、食事はいいんだよ。腹一杯になる」

 隣の男性、Aさんはパーティーの常連だった。「7割方は毎回、同じメンバー」って、ほぼ知り合いで成り立っているのか?

 競うようにビールが消えていく。魚介のクリーム煮、鶏肉のトマトソテー、ちらし寿司、デザートと次々に料理が運ばれる。六本木で行われた婚活パーティーでの体験と真逆と言っていいほどの、ふんだんさだ。

 主催者曰く、「食べ物は減らせないんですよ。女性の料金だと赤字ですが(男性7000円、女性5000円)、食事を落とすと、ものすごいクレームが来る」。

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