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角居勝彦調教師 どんな牡馬より体調よい牝馬のほうが強い

 2006年に創設された、JRAでもっとも新しいGI競走「ヴィクトリアマイル」。牝馬限定ではあるが、勝ち馬は牡馬に引けを取らない強さを示している。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、牝馬の強さについてお届けする。

 * * *
 角居厩舎は2011年を除いて、毎年のように出走させています。府中の芝のマイル戦という舞台がいい。牝馬にとっては、桜花賞の次くらいによいレースだと思っています。

 一方で、1週前のNHKマイルカップには角居厩舎からはほとんど出走していません。やはり3歳ではクラシックを見据えたローテーションを組みたいからです。クラシックの狭間にあるレースなので、目標になりにくい面は否めません。クラシックは、「その旬に一度しか勝てないレース」です。その他のGIは「追いかけて勝ちにいくレース」と私はとらえています。

 そういった意味でも、この4歳以上牝馬戦は「追いかけるレース」の、まさに女神級です。

 旬には旬のよさがあるように、熟成にも妙味がたっぷりです。3歳の桜花賞でもう一歩だった牝馬が、1年たって心身ともにようやく安定してくるという位置付けです。フケの出る馬は4歳の春でもたいへんなのですが、それでも3歳時にフラフラとしていた馬体は、どっしりと落ち着いてきます。

「男馬は夏に、女馬は春に強くなる」とよく言われるように、ヴィクトリアマイルに照準を合わせて調教することで、牝馬はより強くなります。ここで強い競馬をして、秋のGI戦線に殴り込みたいわけですね。天皇賞(秋)やマイルチャンピオンシップは、夏にどれだけ成長したかが問われますが、牝馬の場合は夏前に強くなる。まさに「今!」です。

 しかし、勝利の女神が角居厩舎に微笑んだのは2009年のウオッカのみ。昨年はディアドラマドレが7着、2014年は3頭出しでキャトルフィーユ(5着)、デニムアンドルビー(7着)、ラキシス(15着)でした。

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