高須クリニックの高須克弥院長が世の中の様々な話題に提言するシリーズ企画「かっちゃんに訊け!!」。5月17日から清原和博被告の覚醒剤事件に関する公判が始まったということで、今回は薬物問題についてお話をうかがいました。
* * *
──5月17日に清原和博被告の覚醒剤事件の裁判が始まりました。検察側の求刑は2年6か月で判決は31日に出ます。本人は起訴内容を認め「薬物に負けてしまった」と語ったそうです。そこで、今回はその薬物の問題についてお話をお聞きしたいと思います。
高須:清原被告って薬物依存治療で入院してたんだっけ?
──はい、そのようですね。
高須:まあでも、覚醒剤依存の治療は難しいって言われているけど、個人的にはそうでもないんじゃないかって思ってるんだよ。
──どういうことでしょうか?
高須:だって、僕が子供の頃は薬局でヒロポンが合法的に売られていたわけで、ヒロポン中毒者なんてザラにいたんだから。今に比べれば、モルヒネ中毒者だって珍しくなかったよ。
──たしかにそうですね。
高須:昔は高須病院に、「とにかく痛いからモルヒネを打ってくれ」っていう患者さんがたくさん来ていたものだよ。でも、僕のおばあさんも親父も、モルヒネは打たなかった。それを見ていた幼い僕は、「あんなに痛がっているのに、かわいそう…」って思ってたけど、医者としてはモルヒネ中毒者を追い返していたわけだ。
──そういう中毒者はどうなったんですか?
高須:いなくなったね。…というのは、死んじゃったということではなくて、モルヒネが手に入らなくなって、ヒロポンも違法になったことで、みんな物理的に薬物と切り離された。そしたら、みんな結果的に中毒を克服できたんだと思う。薬物中毒は医学的な治療が難しいということよりも、物理的に手に入らなくすることが何よりも重要だっていうことだね。
──どうしたら、物理的に手に入らなくできるのでしょうか?