にこやかに撮影現場へ現れた女優の広瀬アリス(21)。撮影中もキャッキャとよく笑い、カメラマンに深爪を指摘されると、「指が短くて、自分の手はあまり好きじゃないんですよね」といたずらっぽく語り、手をひらひらと振ってみせる。くつろいだ雰囲気からは人なつこさが伝わるが、実は人見知りの一面があるのだとか。
「知らない人ばかりの環境にひとりで入ると、まったくしゃべらなくなることもあります。今回の役柄は初対面の人が相手でもグイグイ距離を詰めていくので、私も見習いたいなと、思いました」
6月4日公開『探偵ミタライの事件簿 星籠(せいろ)の海』でヒロインを演じる。人気ミステリー作家・島田荘司の「御手洗潔シリーズ」を映画化。
初の映画化にあたり、オリジナルキャラクターの小川みゆき(広瀬)が登場。主演の玉木宏扮する天才脳科学者・御手洗潔の大ファンである編集者として、怪奇事件に挑む御手洗に寄り添う。
「みゆきはミタライ作品が好きすぎて、何でも作品に結びつけようと突っ走りますが、好きなことにワーッと熱くなる性格はすごく自分と似ています。
御手洗先生に『うるさい』と注意されちゃうところとか、よくしゃべる性格も似ていますね。ただ、みゆきは素直に黙りますが、私の場合は『うるさくない』って少し反抗して、ずっとしゃべり続けます(笑い)」
シリアスな作品の中で明るいみゆきの存在が光る。
「この作品では、テンションが高く明るい人間はみゆきしかいないので、どれだけ作品になじまずKYでいられるかが役作りのポイントでした。等身大の普通の女の子を演じることが多く、ここまでぽーんと突き抜けた役は新鮮で楽しかったです」
今回広瀬は最年少キャストとして参加した。
「休憩時間はいつもみなさんと集まって、笑いが絶えない現場でした。その結束が作品にも反映されていると思います。
玉木さんは出演者ひとりひとりにプレゼントをくださって、私には裸の男の人の人形でした(笑い)。ジャックと名付けてロケにも連れて行き、現場の大スターとしてスタッフさんたちにも人気でした。今は、自宅のベッドの横でお留守番中です」
年上の演者に囲まれて、現場で愛されていた様子が窺える。実の妹・広瀬すずとの共演でみせる大人っぽさとはまた違う無邪気な側面が、劇中のみゆきと重なった。
撮影■渡辺達生
※女性セブン2016年6月2日号