そうした流れの中で注目を集めているのが、6月8日に予定されているGDP改定値の発表だ。政治スケジュール的には6月1日に国会が閉幕し、7月10日投開票とみられる参院選モードに突入するタイミングとなる。
「改定値の数字が、今回の速報値より大きく改善していれば、与党の選挙戦に追い風となる。1~3月の速報値の推計は他の期に比べて難しい。輸出入で重要な役割を果たす港湾施設にも正月休みがあって稼働日数を単純に割り出せなかったりするため推計が複雑になり、ブレが大きくなる。つまり“速報値は低く推計しすぎていました”という言い訳が通りやすい。改定値は上ブレするのではないか」(証券会社関係者)
市場のプロたちは、発表されるGDPの数字よりも、その裏側に注目している。
※週刊ポスト2016年6月3日号