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角居勝彦調教師が今年の日本ダービーの戦い方を解説

 いよいよ5月29日は日本ダービー(東京優駿)の日だ。2013年に生まれた約6800頭のサラブレッドの頂点に立つ馬が決まる。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、今年の日本ダービーの展望とこのレースに出馬する角居厩舎の2頭について解説する。

 * * *
 さあ、日本ダービーです。皐月賞馬は「もっとも速い馬」、菊花賞馬は「もっとも強い馬」と言われます。対してダービーは「もっとも幸運な馬が勝つ」。だから賑やかな雰囲気となるのでしょう。

 イギリスのダービーに範を取ったレースで、3歳馬のその時点での最強メンバーが集います。広くて直線の長い東京芝2400メートルは小細工の入る隙間のない力勝負となる。ここを勝つことで馬の価値が大きく上がります。昨今の日本の競馬は海外参戦も珍しくなく、それは素晴らしい傾向ですが、日本のダービーを蹴って海外へ、という流れは考えにくい。

「ダービーといえば日本ダービー」。客観的に見ても各国のダービーにヒケをとらない権威があります。

 桜花賞、皐月賞、ダービー、オークス、菊花賞に出走するには2歳秋から3回にわたって登録する必要があります。登録料はそれほど高くはないから、可能性のある馬ならば広く構えて登録したい。牡馬は桜花賞とオークスには出られないので、とりあえず3つに登録することも多い。

 一方、牝馬の場合は5つ全部に登録できるわけです。角居厩舎での日本ダービーといえば、なんといっても2007年のウオッカですが、この馬は馬主さんの意向もあって、2歳時に全部のクラシックを登録しました。5つすべてに登録したのは、うちの厩舎では後にも先にウオッカだけです。
 
 実際に走ったのは桜花賞(2着)とダービーだけ。ダービーでは2着のアサクサキングスに3馬身差をつける強い競馬で、2004年に日本で生産されたサラブレッドと輸入外国産馬を合わせた8470頭の頂点に立ちました。

「女馬は春に、男馬は夏に強くなる」というのがわたしの持論で、この時期は力のある牝馬のほうが牡馬よりも強い。ウオッカのように強い牝馬がダービーに出てくる可能性は大いにあります。

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