芸能

『ユアタイム』 「司会2人がハーフ」以上の魅力ありとの評

番組公式HPより

 チャレンジは成功するとは限らない。同時に、最初からうまくいくと決まっているわけでもない。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が、苦戦を伝えられる報道番組について言及した。

 * * *
 フジテレビ系『ユアタイム~あなたの時間~』(月~木曜後11:30、金曜後11:58)でメインキャスターを務めている日米ハーフの市川紗椰。例の「ショーンK」騒動のとばっちりで、突如メインを引き受けることになった、数奇な運命。しかし、市川さんの仕事はそもそもアナウンサーではなくてモデル。進行役を務めるのは大きな賭けでありチャレンジだ。

 4月に番組がスタートすると、そのたどたどしい口調、原稿を何度もかんでしまうシーンに緊張が漂い、「もう見ていられない」「目も当てられない」という声が続出。スタートから2ヶ月たった今も、口の中でゴニョゴニョして意味が伝わらなかったり、語尾がはっきりしないままフェードアウトは日常茶飯事。一部メディアは「9月降板へ」なんて書いているけれど、でも、本当にそれでいいのでしょうか?

 最近のフジテレビは月9、その他ドラマ、バラエティの評判も良くなく視聴率不振が続く。その凋落ぶりと、『ユアタイム』とを、ごっちゃにしてしまっていませんか?

 一歩離れて観察してみると、『ユアタイム』には他局の報道番組とは比べようのない独自性や新鮮さがある。他にはない味わいが、日を追うごとに滲み出し始めていないでしょうか?

 例えばオバマ大統領が広島を訪問した日の放送。

 コメンテーター、モーリー・ロバートソン氏が「泣いてはいけない」と前置きしつつ、必死にコメント。実はモーリー氏自身、少年時代を広島で過ごし、皮膚感覚で現地を知っている自称「広島っ子」。アメリカ人の父は原爆傷害調査委員会で医師として働いていた。まさに広島の原爆をめぐる関係者。現職大統領が初めて広島の地に来たことを語るモーリー氏は、自分の生い立ちを背負っていて、なんとも言えない真剣さと迫力があった。

 ジャーナリストとしてこらえていたけれど、とうとう最後に涙が出てしまったモーリー氏。アメリカ人とのハーフだった少年が、戦後の広島で暮らすことに、どれほど深い困難と苦悩があったことか。それを説明を越えて、しっかりと伝えた。

 市川さんもド根性を見せている。

 インタビューでは「読みや進行に対するスキルがまだない」と自覚を語ると同時に、「練習を重ねるが、『読む能力をただ身につけても「だったらアナウンサーやキャスターがやればいい」となる。自分らしさは雰囲気やコメントで』と自身の特性も探求する日々だ。『自分である必要性をどう出せるか』と心境を打ち明けた」(「デイリースポーツ」2016年5月24日)という。

関連記事

トピックス

女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
漫画家・柳井嵩の母親・登美子役を演じる松嶋菜々子/(C)NHK 連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合) 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
松嶋菜々子、朝ドラ『あんぱん』の母親役に高いモチベーション 脚本は出世作『やまとなでしこ』の中園ミホ氏“闇を感じさせる役”は真骨頂
週刊ポスト
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト