日本との戦争当事国であり、かつ原爆を投下した米国が広島訪問を決断し未来を志向しているのに、戦争も原爆も直接関係のない韓国がしきりに「和解してはいけない!」とイチャモンをつけているのだ。
韓国(朝鮮半島)および東アジアの直近の課題は北朝鮮の核武装問題だろう。北朝鮮は36年ぶりの党大会で核保有をあらためて宣言し、国際社会を恫喝し続けている。なのに、韓国では「ヒロシマと北朝鮮の核」という現実的議論はまったく聞かれない。ひたすら昔話なのだ。
日米同盟、米韓同盟下で日米緊密化は韓国にとってもプラスというのは常識のレベルだろう。「核武装した北朝鮮」を前に日米緊密化への嫉妬などというのは子供の駄々に等しい。“日本離れ” できない韓国の視野狭窄と知的怠慢は相変わらずである。
【PROFILE】1941年生まれ。京都大学卒業。共同通信ソウル支局長、産経新聞ソウル支局長を経て産経新聞ソウル駐在客員論説委員。著書に『決定版どうしても“日本離れ”できない韓国』(文春新書)、『韓国はどこへ?』(海竜社刊)など多数。
※SAPIO2016年7月号