昨年末の慰安婦問題に関する日韓合意を受け、朴槿恵大統領の告げ口外交が沈静化するなど、一時は日本批判が落ち着いたかに見えた韓国。それがここに来て再び日本の足元を掬おうとする動きが見え始めた。その背景にあるのが「日本への嫉妬心」だと産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏は指摘する。
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日韓関係では近年、日本のやることなすことに韓国がいつもイチャモンをつけ、日本の足を引っ張っている印象がある。その象徴は朴槿恵政権のいわゆる“告げ口外交”だが、とくに国際社会で日本の足を引っ張るような場面が目立つ。
それが日本人の反韓・嫌韓感情をいたく刺激しているのだが、韓国(とくに韓国マスコミ)はその事実には意図的(?)に知らん顔だ。相変わらず気楽な日本叩きの“民族的快感” を楽しんでいる。
本稿が出るころには伊勢志摩サミットの際のオバマ大統領の広島訪問は終わっているだろうが、この稿を書いている時も韓国マスコミは「オバマの広島訪問反対」で異様に熱を上げ、米国の日本配慮と日米緊密化に激しく嫉妬している。
韓国はちょうど1 年前、安倍晋三首相の戦後70年を機にした米議会演説に対し官民挙げて反対工作を展開した。米国の安倍評価に不満たらたらで、日米蜜月に大いに嫉妬していたことが思い出される。
オバマ広島訪問への韓国の反対理由は「戦犯国・日本への歴史的免罪符になるから」(韓国各紙)という。さすがに政府は公式には反対を表明しなかったが、マスコミは反対扇動にしゃかりきだった。
韓国マスコミの議論というのは、ヒロシマが現在・未来の核問題の象徴であるという歴史的観点はそっちのけなのが特徴だ。オバマの広島訪問は「日本を戦争被害国に仕立て上げ」、日本に過去の居直りを許す結果になるというのだ。つまりすでに終わった過去にこだわってばかりの、実に後ろ向きの議論だった。