熊本地震の発生後、韓国では日本の災害を喜ぶかのような暴言が数多く飛び交った。主要メディアでは九州で起きた悲劇と、それに耐えて秩序を守る日本人の姿を好意的に伝えているが、ネットニュースをはじめとする一部のメディアで、日本の災害を揶揄するような報道が見られ、匿名掲示板でも日本の地震をあざ笑うような書き込みが相次いだ。どんな内容だったのか。
一例が、韓国ネット新聞『ノーカットニュース』(4月23日)に掲載された「熊本、残念に思えない理由」というコラムだ。
「熊本地震を眺める韓国人の心は複雑である」との書き出しで始まるコラムは、朝鮮出兵で兵を率いた熊本城初代城主・加藤清正を槍玉に挙げ「築城過程でも多くの朝鮮人捕虜の犠牲があった」と主張。
さらに1895年の「乙未事変」(いつびじへん=駐韓公使の三浦梧楼が指揮を執り朝鮮王妃を殺害したとされる事件)に話題を転じると、「王妃を凌辱、殺害した日本浪人のほとんどが熊本出身」とし、「(日本は)真の反省がない国だ。友邦という言葉だけを信じて歴史を忘れれば、再び歴史の審判を受けることになる」と結んだのである。まるで熊本の地震被害が「過去の日本の行いに対する報い」であったかのような物言いだ。
東日本大震災以降、韓国では日本の不幸を嘲笑するネットユーザーやメディアの存在が問題視されてきた。たとえばネット新聞『デイリー光州全羅南道』は、2012年8月18日の編集委員コラムで、慰安婦や竹島問題に対する日本政府の対応を猛烈に非難。日本人を「猿のように卑怯な国の人々」と蔑み、「反省のない日本人には大震災に続き再び天罰が下る」として物議を醸した。
また、2014年1月には、男性誌『マキシム』が「被曝していない日本女性と付き合う方法」と題した特集を掲載。その後、謝罪に追い込まれた同誌編集長は、福島原発事故の被災者を侮辱したタイトルについて「日本の独島関連妄言、安倍首相の靖国参拝、慰安婦問題などを非難し皮肉るつもりだった」と弁明した。