とかくスポーツが絡むと人々はエキサイトしがちだ。判定一つめぐって世界中がネットで応酬をし、いつしか国境を超えたケンカとなる。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が指摘する。
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バレーボールのリオ五輪最終予選で男子代表は五輪出場を逃した。果たして海外の人間が日本で行なわれるバレーボールの大会をどう見ているのかが気になった。というのも、あの「ニッポン!」や「ソーレ!」という黄色い歓声が彼らには奇異に映っているのかと思ったからだ。そこで、YouTubeで公開されている今回の大会の動画についたコメントを見てみると、日本の大会運営やファンの観戦についての意見はほぼ見られなかったが、ひどい状態になっていた。
日本代表が男女ともに完全にヒールとなっていたのだ。5月18日、女子の日本vsタイの最終セットで、遅延行為があったことなどから、タイの監督に2枚のレッドカードが出された。これにより、2点が日本に与えられ、劇的な勝利を日本は収めたというものだ。
世界の人々はこの件について「Cheat」(インチキ野郎)扱いを開始する。
5月29日の男子日本vs中国の試合では中国が勝ったが「初めて中国チームをイケメンだと思った」や「ありがとう中国 fromタイ」といったコメントと、日本に対するインチキ野郎扱いだらけになった。
そして、女子代表エースの木村沙織のインスタグラムにも海外の人々から「インチキ」の書き込みが殺到した。まるで、ソチ五輪女子フィギュアでロシアのソトニコワが優勝し、キム・ヨナの演技の方が優れていると感じた韓国人がソトニコワとプーチン大統領のフェイスブックを炎上させた時を彷彿させる。この時我々日本人は韓国人の民度の低さを嘲笑ったが、今回はタイ人(及び熱心なバレーボールファン)が同じことをやらかしたのである。