北海道を除く全国で梅雨入りし、本格的な“雨の季節”に突入している。この時期、「だるい」「頭が痛い」「肩が凝る」「イライラする」「むくむ」などの体の不調、「梅雨だる」を訴える人が増えるという。
ウーマンウェルネス研究会が今年3月、首都圏在住の20~50代女性334名を対象に「梅雨時期に起きる心や身体の不調『梅雨だる』の実態調査」を行ったところ、約6割の女性が梅雨の時期に体の不調を感じているという結果になった。
「梅雨だる」が起きる原因は2つある。東京有明医療大学教授で医学博士の川嶋朗さんは、こう指摘する。
「低気圧の状態が続くと、空気中の酸素濃度が減り、体は活動を最小限に抑えようと、お休みモードになります。本来、交感神経が優位なはずの昼間に副交感神経が優位になることで自律神経のバランスが乱れ、不調を引き起こすのが1つ目の理由です」
自律神経は、交感神経と副交感神経からなる。私たちの体は、活動している時や緊張時、ストレスを感じる時に交感神経が働き、眠っている時やリラックスしている時には副交感神経が働く。この2つがバランスよく切り替えられなくなるのが梅雨の時期。
「バランスを取り戻すためには意識的な自律神経の切り替えが必要です。日中は交感神経が優位になるように、たとえば朝なら朝日を浴びたり、熱めのシャワーを浴びたりする。昼ならコーヒーや緑茶を飲んだり、軽い運動をしたりすると効果的。夜は副交感神経が優位になるよう、38~40℃のぬるめの風呂にゆっくり浸かったり、マッサージで筋肉をほぐすのもいいでしょう」(川嶋さん)