国政選挙で巨大な票を動かすのが宗教団体だ。いずれも公に政党支持を表明してはいないが、自民党の2大宗教基盤とされるのが、全国約8万社の神社を統括する神社本庁と伝統仏教59宗派が加盟する全日本仏教会(全日仏)であり、「神道政治連盟国会議員懇談会」会長を務める安倍首相はとくに神社本庁との結びつきが強い。宗教評論家の清水雅人氏が語る。
「神社本庁系の政治団体である神道政治連盟の主張は靖国神社公式参拝、自主憲法制定、国旗掲揚と国歌斉唱など安倍政権の政策と一致している。
日本会議(安倍晋三首相の政治路線を強く支持する保守系民間団体)の役員にも神社本庁など神道系の宮司が役員に就いており、日本会議と神社本庁などが一体となって安倍政治を支えている。
政界の慣例では、総理になると議員連盟のトップの役職を降りるものだが、安倍首相が総理就任後、神政連国会議員懇談会の副会長から会長になったことを見ても、いかに神道系団体を重視しているかがわかる」
日本会議や神道系団体に対する最高の選挙アピールになったのが、伊勢志摩サミットだった。
安倍首相はオバマ大統領ら各国首脳と伊勢神宮を訪問した際、鷹司尚武・大宮司に迎えられて一般の参拝者が入れない「御垣内」まで進んだ。ちなみに、鷹司大宮司は「日本会議」の顧問でもある。