6月10日、文部科学省地震調査研究推進本部が「全国地震動予測地図」を公表した。日本国内で今後発生する恐れのある地震を予測し、地図化したもので、「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」などを示している。
この予測地図は、前回は2014年に公表されているが、今回の2016年版は、2014年以降に得られた知見に基づいて、新たに更新されたものだ。
注目すべきは、2014年版とは「発生確率」が変わった地域がある点だ。発生確率の増大という点で最も顕著だったのは、長野県安曇野市だ。2014年版の19.1%から2016年版では29.5%と、実に10.4ポイントも上昇している。
首都圏でも「カテゴリーI」に限定した地震の発生確率は、1ポイント以上上がっている地域が多くある。カテゴリーIとは「海溝型地震のうち、震源断層を特定できる地震」のことで、東日本大震災のような海溝型地震を想定している。
カテゴリーIの発生確率は、東京都では大田区で1.2ポイント、中央区、台東区、荒川区、飾区でそれぞれ1ポイント上昇した。
横浜市内ではさらに上昇ポイントが高く、栄区と戸塚区で1.5ポイント、神奈川区、港北区、保土ヶ谷区で1.4ポイント、鶴見区、中区、南区で1.3ポイント。川崎市でも中原区と多摩区で1.3ポイント、川崎区と幸区で1.2ポイント上昇している。