国際情報

習近平「美人妻」の暗殺未遂事件 犯人は武装警察だった

習近平には独裁者との批判も(写真:アフロ)

 習近平は最近、「習沢東」と呼ばれるほど、毛沢東を模した自身の偶像化や軍権掌握といった権力の一極集中を進めている。その独断専行ぶりは50年前の文化大革命発動当時の政治状況を彷彿とさせる。

 毛沢東がトウ小平や劉少奇ら“実権派”を叩き潰したように、習近平も上海閥や共青団閥の力を一気に削ぐ動きを加速しているが、その最中、習近平を震えあがらせる事件が起こっていた。ジャーナリストの相馬勝氏がレポートする。

 * * *
 北京の党幹部筋は「習近平の増上慢は極まっている。まるで、絶大なカリスマ性を発揮した毛沢東のように振る舞っている」と前置きして、次のように指摘する。

「反腐敗運動で、最高幹部を失脚させるなど、これまでの指導者ができなかったことを敢然と実行したことで、庶民の習近平人気は高まってきたが、ここにきて、習近平を称える歌や漫画をユーチューブで流すなど、個人崇拝の機運が高まり、逆に庶民は白け始めている」

 その一つの表れが3月から4月にかけて、ネット上で、習近平に対する辞任要求の書簡が公表されたことである。

 まず、3月4日に新疆ウイグル自治区主管のニュースサイト「無界新聞」に「習近平は辞職せよ」と勧告する謎の書簡が掲載された。この書簡の差出人は自らを「忠実な共産党員」として、習近平を「独裁者」と批判し、経済運営の失敗をあげつらっている。

 この辞任要求で注目されたのは、書簡の公開時期だ。年に1回しか開催されず、世界中からメディアが取材に訪れる全国人民代表大会(全人代=国会に相当)の前日に発表されたのだ。この書簡の主は用意周到に習近平に辞任要求を突きつけたといえよう。

 さらに、3月下旬にも再び習近平の辞任を求める書簡がネット上で公開された。この米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「明鏡新聞網」系のブログに辞任要求書簡を投稿したのは「171人の中国共産党員」と名乗るグループだ。

「習同志の独裁と個人崇拝が党内組織を混乱に陥れている」と批判したうえで、中国共産党中央に対して、「習同志を一切の職務から罷免し、党と党員を救済するよう要求する」と強く訴えている。書簡は投稿主が自らすぐに削除したもようだが、ネット上で一気に拡散した。

 前出の党幹部筋は「最高権力者の辞任を求める声が立て続けに公になるのは異常事態だ。これは習近平の個人崇拝や言論統制に党内からも強い反発が出ているためだ」と明かす。このため、中国当局も事態を重視し、この事件に関与したとして20人以上が逮捕され、その家族も身柄を拘束されているという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト
4月24日発売の『週刊文春』で、“二股交際疑惑”を報じられた女優・永野芽郁
【ギリギリセーフの可能性も】不倫報道・永野芽郁と田中圭のCMクライアント企業は横並びで「様子見」…NTTコミュニケーションズほか寄せられた「見解」
NEWSポストセブン
ミニから美脚が飛び出す深田恭子
《半同棲ライフの実態》深田恭子の新恋人“茶髪にピアスのテレビマン”が匂わせから一転、SNSを削除した理由「彼なりに覚悟を示した」
NEWSポストセブン