キム・ハヌル、27歳。韓国ゴルフ界の人気者が、日本ツアー参戦2年目にして押しも押されもせぬ人気選手の仲間入りを果たしている。韓国ツアー時代から、試合会場には「ハヌラー」と呼ばれる追っかけが多数押しかけていたが、現在は日本でもハヌラーが急増している。
「ハヌル」という名前は韓国語で「空」を意味する。キム・ハヌルのキャディバッグに、「SKY」という文字が刺繍してあるのはそのためだ。勝負カラーも空を連想させる「青」。最終日には必ず、青を基調としたウェアを身にまとって出場する。
彼女のトレードマークはミニスカートだ。プロデビューした際に、父親から「プロは見られるのも仕事。ファンから喜んでもらえるような服を着なさい」と助言を受けたことをきっかけに、ファッションを意識。よほどの悪天候でない限りはミニスカをはき続けてきた。最近はパンツ姿になることもあるが、その際も美脚を惜しげもなく披露できるホットパンツ姿でプレーするなど、ファンサービスを大切にせよという父親の言葉を守っている。
キム・ハヌルに感じられるのは、この「ファンを大切にする姿勢」である。これまで韓国選手の多くは、とにかく勝負にこだわり、口を真一文字に結んでプレーするストイックなイメージが強かった。憎らしいほどの強さも相まって、日本のファンにとってはどこか“壁”があったのも事実である。
だが、昨年賞金女王になったイ・ボミが「スマイル・キャンディ」という愛称そのままに愛嬌を振りまき、絶大な人気を得て、韓国選手への壁を取り払うことに成功。さらにそこへキム・ハヌルが現われた。「可愛さ」が売りのイ・ボミに対し、長身、美脚という「美しさ」が魅力のキム・ハヌル。「スマイル・クイーン」の愛称通り、彼女もプレー中に笑顔を絶やさず、クールな外見とは裏腹に親しみやすさを感じさせている。