国際情報

金正恩「核保有」の次は「イスラム国」との連携か

裸の独裁者、次の一手は? AP/AFLO

 北朝鮮・金正恩労働党委員長の「偶像化」が進んでいる。36年ぶりの朝鮮労働党大会の開催は、独裁者の権力基盤を固めるためのものだ。この党大会は何をモデルに開催されたのか。そして、繰り返される「核保有」発言と、日米韓インテリジェンス関係者の間に飛び交う「謎の情報」について、作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏が読み解く。

 * * *
 5月6~9日、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の平壌で、朝鮮労働党第7回大会が行われた。前回の第6回大会が開催されたのは、36年前で、北朝鮮建国の父である金日成が主宰した最後の党大会だった。

 第6回大会で、金日成は、全社会の主体(チュチェ)思想化を提唱し、当時存在していたソ連・東欧諸国などの社会主義国が掲げていたマルクス・レーニン主義とは、一線を画したイデオロギーで、北朝鮮を統治する方針を明確にした。

 さらに金日成の息子の金正日が政治局常務委員に選ばれ、共産主義国としては異例の世襲体制(王朝)の道筋がつけられた。北朝鮮の憲法では、朝鮮労働党は国家を指導する特別な位置にある。これは旧ソ連のスターリン憲法を踏襲したものだ。

 過去36年間、労働党は大会を行っていなかったので、第6回大会で選出された幹部は、既に死去しているか、生きていても加齢で十分な活動ができないと推定される。今回の中央委員も中央委員候補も金正恩派によって完全に固められたと見ていいであろう。1934年にスターリンによって行われたソ連共産党第17回大会は「勝利者の大会」と呼ばれたが、これを金正恩が労働党第7回大会のモデルにしていると筆者は見ている。

 問題は、金正恩が今後、核をどう取り扱うかだ。朝鮮労働党の規約改正で「経済建設と核戦力建設を並進させる」という文言が盛り込まれた。北朝鮮は、今後の核実験と長距離弾道ミサイル発射によって、恫喝をかけながら、米国を交渉に引き出そうとしている。ただし、米国と本格的に対峙することを避けるというのが金日成と金正日の政策だったのだが、遺訓から解放された金正恩には抑制が働かない可能性がある。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン