戦後71年目の夏を前にして、再び中国の「抗日」、「反日」が目立ってきた。彼らの主張や態度の中には、常軌を逸したものが増えてきている。7月は7日に盧溝橋事件(中国名・七七事変)記念日があるほか、中国共産党が1921年7月に結成されたことにちなみ「紅色七月」と呼ばれており、テレビでは日中戦争を描いた「抗日ドラマ」や党政策番組などが大量に放送される。
だが、通り一遍の抗日ドラマでは、すでに若い視聴者に飽きられ始めている。そこで最近では大胆な(?)ストーリー展開を持つドラマが作られるようになった。和製ホラー映画『リング』に登場する「呪いのビデオ」の貞子が、主役となった抗日ドラマまである。『人民の貞子』と題された、そのドラマの内容は、あまりに突飛だった。ストーリーはこうだ。
戦争中、山あいの村に現われた日本軍のトラックを村人が襲撃し、日本兵の殲滅に成功。トラックには映写機とフィルムが積まれていた。それを再生すると、スクリーンから貞子が出てきた。
地面を這いつくばるおぞましい姿に、村人たちも恐れるのだが、ひとりの男性が貞子の足を見て、「お前、裸足じゃないか。俺の草履を履けよ」と差し出した。さらに民家に招待し、きれいな着物を着せたり、村娘が貞子の長い髪を梳かし、三つ編みを結ってやるなど、優しく迎え入れたのだった。
中国人たちの温かさに心を開いた貞子は、畑仕事に精を出すようになり、いつしか村の青年と恋に落ちる。貞子は彼と共に共産党に入党。こぶしを掲げて宣誓するなど、すっかり“赤色”に染まった。
そんな幸せな日々を打ち砕いたのが日本兵だった。野良仕事中、村に煙が上がるのを見た貞子が急いで戻ると、村人は日本兵により皆殺しにされていた。優しかった村娘や、恋仲となった青年の亡骸を見た貞子は怒りに震え、涙をこぼす。
日本兵の前に軍服姿で現われた貞子は、ピストルで日本兵を次々と撃ち殺す。〈咆えろ、正義の銃弾。仇を討て、人民の貞子!〉という勇ましいナレーションとともに、貞子が勝利のポーズをとったところでドラマは終了した。