国内

官邸深奥発「憲法改正」肉声ドキュメント(1/4)

憲法改正はどうなる?(首相官邸)

 参院選終盤、与党の優勢が伝えられるほどに、安倍首相は悲願の憲法改正について口を噤んでいった。いったい、何があったというのか。官邸の内幕を描いた『総理』がベストセラーになり、いま最も政権中枢に近いといわれるジャーナリスト、山口敬之氏が、官邸内で封じられてきた憲法改正への肉声を掴んだ。(全4回のうち第1回)

 * * *
「松本サリン事件の河野さんが講演をするらしいんですが、どんな内容になるか情報入ってませんか?」

 参院選が中盤に入った先月28日。官邸関係者から問い合わせを受けたメディア関係者は少なくなかった。

 松本市を含む長野選挙区は、民進党の新人・杉尾秀哉がリードし自民党の現職若林健太が猛追する展開となっていた。

 1994年に松本市内の住宅街に神経ガス・サリンが撒かれ8人が死亡した松本サリン事件は後にオウム真理教信者の犯行であることが明らかになったが、発生当初は全く無実の河野義行さんが疑われた。当時TBSでニュースキャスターをしていた杉尾にスタジオで厳しく追及された河野さんが「そうやって私を犯人扱いするんですね」と嘆息する場面があったのである。

 河野さんは杉尾を断罪するのか、あるいは許すのか。講演会での発言内容によっては、選挙戦の流れを大きく変えかねないものとして注目された。

 結局河野さんは6月30日に行なった講演で、名指しこそ避けたもののマスコミに対する不信感を露にし、一部のメディアがそれを伝えた。一連の経緯は、あらゆる機会を捉えて、ひとつでも多くの議席を獲得しようという官邸の執念を強く印象付けた。

 今回の参院選を巡っては、憲法改正に必要な2/3の議席を参院でも確保するため衆参ダブル選挙に打って出るべきという意見が少なくなかった。麻生太郎副総理兼財務大臣を筆頭に安倍の盟友や側近の多くが「この夏が最後のチャンス」としてダブルの主戦論に傾く中、最後まで慎重論を貫いたのが菅義偉官房長官だった。

 菅は、衆議院の2/3を温存した状態のまま参院選でできるだけ議席を積み上げ、選挙後の合従連衡も含めて結果として参議院も2/3を獲得することは十分可能であると主張したのである。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン