元俳優・高知東生容疑者(51才)が覚せい剤取締法と大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕された事件で注目されたのは、高知本人よりも妻で女優の高島礼子(51才)だ。ラブホテルで女と一緒にいたところを逮捕された高知は、不倫、そしてクスリと、妻に対して2重の裏切りを働いていたことになるが…。
芸能界の第一線で活躍する高島が、妻としてどのような責任を負うのかに世間の視線が注がれた。高知の逮捕が明らかになってすぐ、一部スポーツ紙で高島が出演するCMの打ち切りが報じられ、高島主演の連続ドラマ『女たちの特捜最前線』(テレビ朝日系)の放送も中止になるのではないかとの情報が飛び交った。
結局、CMもドラマも予定通り放送されることとなったが、その処遇について、世間ではさまざまな意見が聞かれた。高島の妻としての責任を問う声である。
「夫婦としてずっと一緒にいたのに、薬物をやっていたことに気づかないなんて信じられない。普通異変に気づくでしょう。早い時点で対応していれば、こんな騒動にはならなかったんじゃないですか」(54才・主婦)
「高島さんが外で一生懸命働きすぎたことで、ダンナは甘えて仕事をせず、薬物に走ったのだと思います。もっと夫を立てて、妻の役割をしっかり果たしていればよかったのではないか」(47才・主婦)
などの声がある一方で、「高島さんはかわいそう。彼女に責任を求めるのはおかしい」という意見も少なからずあった。
「妻の責任がある」──夫の逮捕を受け、謝罪会見でそう声を震わせた高島礼子の言葉が波紋を呼んでいる。信じていた夫に裏切られたとき、妻はその行為の責任を負うべきなのか、そして、夫を支えていくというもうひとつの責任も果たさなければいけないのか――そこから見えてくる現代夫婦のあり方を今一度考えてみたい。
◆「責任ゼロはない」か「責任を取る筋合いはない」か
タレントでエッセイストの小島慶子さんは「今回の事件をどう受け止めるかで、その人が夫婦や家族というものをどう考えているのかが、はっきりわかると思います」と話した上で、「責任を取る筋合いはない」と明言する。
「夫婦は、どちらかがどちらかの庇護者であるわけでも、監督責任があるわけでもない、自立した大人同士の関係です。それとも、妻は夫が薬物に手を出さないよう、24時間監視しろというわけですか? それ以前に、薬物に手を出さないのが当たり前でしょう」
小島さんはさらに、高島に“妻の責任”を問う人たちに疑問を投げかける。
「“ほら、やっぱり”と言っている人は、働いている女性に向かって『女性が家庭におさまってないと不幸になる』と言いたいだけじゃないでしょうか」