サマーセールのまっただ中。大阪の洋服売り場では、「タイムセールを始めまーす!」の元気な声に加えて、「お兄ちゃん、この1枚400円のパンツ、3枚買うから1000円でどう?」などと値引き交渉を持ちかける声で賑やか。
一方、東京のセール会場では、店員の元気な声は響きわたるものの、お客は粛々と値札を確認してレジに並ぶ。大阪で生まれ育ち、夫の転勤で東京に来たA子さん(39才)は驚きを隠せない。
「洋服屋さんで、『このシャツ2枚買うから安くならんの?』って軽い気持ちで聞いたら、店員さんに苦虫をかみつぶしたような顔で見られたことがありましたよ」
大阪で育った母を持つB子さん(42才)も言う。
「チェーンの家具店に一緒に行った時、母が棚を見て“コレ、向こうの店では5000円安いんだけど、まけてもらえない?”って聞いたら“じゃあそっちで買ってください”ってあしらわれていて“やる気のない店員やな~”って怒ってました」
もちろん、“他店より1円でも高ければご相談ください”が謳い文句の家電量販店では、“大阪人”でなくても今や値切るのが当たり前。しかし、実はデパートや旅行、スーパーなど一見「値切れないのでは?」と思うようなところでも、スマートに値切って得している人がいるのも事実なのだ。
東京在住の主婦C美さん(45才)が言う。
「ベッドと寝具一式を買いに行った時、夫が“これだけ買うから、もう少しなんとかなりませんか”とさりげなく聞いたら15%オフにしてくれました。しかもその後届いたベッドはドアから入らなくて、急きょベランダから釣り上げ搬入になりました。
本来なら追加料金が必要でしたが、“そもそも、ドアの大きさの確認が事前になかった”とやんわり抗議したら、設置料が無料になって、『ご迷惑をおかけしました』とジュースのタダ券までもらいました」