7月22日より日本での配信が始まるやいなや、社会現象を巻き起こしているスマホゲームの「ポケモンGO」。先行配信しているアメリカでは、利用者が6500万人を超えたといわれるほど、瞬く間にブームは世界中に広がっている。
海外での爆発的な人気を受け、ポケモンGOの開発に携わった任天堂の株価は、年初来安値だった6月28日の1万3360円から、すでに7月19日には一時3万2700円まで高騰。そして、ついにポケモン発祥の日本でサービスが始まったことで、さらなる株価の上昇も期待されたが、7月25日の株価は一転、前週末比18%安の2万3220円で取引を終えた。
日本でもアプリのダウンロード数が史上最短・最高記録を達成するなど、数々の金字塔を打ち立てているにもかかわらず、任天堂の株価が急落してしまったのはなぜか。
「国内配信日の22日夜に、任天堂が『ポケモンGOによる収益への影響は限定的』と発表したことが大きい。
ポケモンGOの開発主体は、あくまで米グーグルから独立した米ゲーム企業の「ナイアンティック」社と「ポケモン」社。ポケモンは任天堂が32%出資する関連会社ではあるが、任天堂がポケモンGOで手にする収益は、開発運営協力費やキャラクターのライセンス料の一部に過ぎない」(ゲーム業界関係者)
では、任天堂にはどのくらいの利益配分が見込めるのか。エース経済研究所アナリストの安田秀樹氏は、「情報が少ないので推測に過ぎない」と断ったうえで、こう分析する。
「ダウンロード数などを勘案して考えると、ポケモンGOはアイテム課金などで月間100億円以上は売り上げられるアプリといえます。今後、日本の利用者が引き続き伸びれば、日本だけで100億円も十分可能な数字だと思います。ただ、任天堂に入ってくる収益は、せいぜい売り上げの10%程度と考えていいでしょう」
しかし、この構図をもってして、任天堂の業績拡大も限定的だと考えるのは早計だ。安田氏が続ける。