特典目当てでもない限り、CDを買わない人が増えました。ところが、数年前からアナログレコードの人気が復活し、最近も桑田佳祐やスピッツ、石野卓球など数多くのミュージシャンたちがアナログ盤をリリースしています。そして最近は、アイドルがあえてアナログレコードをリリースすることが増えています。アイドルの世界にやってきたアナログレコードのブームについて、地下アイドルでライターの姫乃たまさんがリポートします。
* * *
アナログレコードをリリースするアイドルが増えています。アナログレコードのブームが、アイドル業界にもやって来たようです。意外にも、アイドルとレコードの相性はよいようです。
アイドル業界では、ファンとアイドルがチェキなどのインスタントカメラで2ショット撮影をする文化が根付いています。データよりも、世界に一枚しかない写真のほうが、特別な感じがするためです。様々なアイドルのチェキを収集するのも、アイドルファンの楽しみになっています。アナログレコードはそんなファンの気持ちに沿ったアイテムなのでしょう、注目が高まっています。
私自身、振り返ると、初めてアナログレコードをリリースしたのは、2013年に宅録ユニットFriendlySpoonのゲストボーカルとしてでした。同年に、ももいろクローバーZが「5TH DIMENTION」のアナログ盤をリリースしていますが、当時アイドルがレコードをリリースするのは非常に珍しいことでした。私がボーカルで参加したFriendlySpoonも、ポップスやソフトロックの音楽ユニットであり、アイドルとしてではありませんでした。
ですが、いま、自分自身もアイドルレコードのブームを実感しています。この夏、アイドルとしてアナログレコードで自分の音源「おんぶにダッコちゃん c/w たまちゃん!ハ~イ」を全国流通することになったからです。
最近では、レコードをリリースするアイドルは珍しくなくなりました。でんぱ組.incやNeggicoなど、メジャーなアイドルもリリースしていることによって、アイドル業界のレコードブームは高まっています。さらに、ももいろクローバーZは、オリジナルデザインのレコードプレイヤーを販売開始しました。
アイドルのファンは、プレイヤーをもっていなくても大きいジャケットにアイドルグッズとしての魅力を見出して、レコードを買います。そんなレコードを聴けないファンのために、同内容のCDを付けたり、ダウンロードコードを付けて販売するアイドルもいます。それでもCDや配信のみにしないのは、アイドル側のブランドイメージのためです。