『ポケモンGO』現象の影響を大きく受けているのが、共同開発した任天堂株だ。社会現象と化した海外での爆発的なヒットを受けて、6月28日の年初来安値1万3360円から7月19日には年初来高値となる3万2700円まで一気に急騰。関連銘柄もこぞって上昇し、市場では「ポケモノミクス」なる造語まで誕生した。
ただし、7月22日任天堂が「ポケモンGOの業績に与える影響は限定的であり、業績予想の修正は行なわない」などと発表したことで、週明け25日は上方修正を期待していた投資家などから売り注文が殺到。任天堂株の行方に注目が集まるが、カブ知恵代表・藤井英敏氏は強気である。
「直近高値を天井と見た投資家が空売りを積み上げていますが、株を借りて売る空売りは将来的に買い戻さなくてはならず、これが今後の買い圧力につながる。加えて任天堂は『ポケモンGO』専用機の『ポケモンGOプラス』を9月に発売することを予定しています。また、マリオやドンキーコングといった人気キャラを『ポケモンGO』で培ったプラットフォームに乗せる展開も考えられますし、夢はまだまだ広がる。今後、上場来高値(7万3200円)を超える展開になってもおかしくない」
その勢いから「今や日本株を左右するのはアベノミクスよりもポケモノミクス」(市場関係者)との声も上がる中、市場関係者の間で期待されているのが、任天堂株の日経平均株価構成銘柄への採用である。
一時は東証1部全体の売買代金の4分の1を占めるほど人気化した任天堂株だが、実は日経平均を構成する225銘柄ではない。
日経平均は、日本経済新聞社が東証1部銘柄のうち取引が活発な流動性の高い225銘柄を選定して算出される。京都が本社で、かつては大証中心の取引だった任天堂株は選ばれることもなかった。
その後、2013年に東証と大証が市場を統合したため、それ以降はたびたび採用候補に挙げられてきたが、いまだ採用には至っていない。