フランスは、いつまでも女性が女性らしくありたいと思う街。母親だけにならないし、仕事人だけにもならない。ひとりの女性という部分をすごく大事にしているし、そのような考え方を当たり前のように容認してくれる土壌がある──。
先月、TBSの報道番組『NEWS23』のキャスターとして、約17年ぶりに古巣にレギュラー復帰した雨宮塔子(45才)。
局アナ時代は『どうぶつ奇想天外!』や『チューボーですよ!』などバラエティー番組を中心に活躍していたが、人気絶頂の1999年に退社し、渡仏。2002年にはパティシエの青木定治氏(48才)と結婚し、翌年には長女を、2005年には長男を出産している。青木氏とは2015年3月に離婚したが、その後も2人の子供たちとパリに在住。しかし今回の復帰にあたり、子供を残して単身日本に帰国してキャスターを務めることや、フランス人パートナーの存在も公表し、話題を呼んだばかり。
復帰初日の視聴率は上々だったが、久々にお茶の間に登場した彼女には、想定外の反響も寄せられている。「しわしわで劣化がすごい」という声と、それを上回る「年齢を重ねるほど美しくなった」という賛辞──。
今や、レーザーやボトックス注射で、シミもしわも簡単に取れる時代。かつて、一部の富裕層や有名人だけの特権のように思われてきた“アンチエイジング”ケアも、コスメから気軽に取り入れられ、雑誌をめくれば欲しい情報がいくらでも手に入る。それゆえ街には年齢不詳の女性があふれている。
そんななか、雨宮がしわを隠すことなく復帰したのは、フランス女性たちの「老い方」に刺激を受けたからかもしれない。コラムニストの今井舞さんは言う。
「フランスでは、見た目に美しい女性より、成熟している大人の女性がかっこいいとされますからね。シミやしわだって、今まで生きてきたさまざまな経験がひとつひとつ刻まれた“生き様”です。もちろん、覚悟があってと思います。雨宮さんはご自身の生き様を、強い覚悟を持って私たちに見せている気がします」
芸能界では松田聖子(54才)や黒木瞳(55才)、大地真央(60才)や吉永小百合(71才)のように、年齢をまるで感じさせない女性が数多くいる。そんななか雨宮のように、ありのまま生きている人もいる。宮沢りえ(43才)や小泉今日子(50才)などもそうだろう。
「年を取ることに抗わない彼女たちは、たとえ“劣化した”と言われたとしても、自分の老いを受け入れ、華麗なおばあちゃんでいたいと覚悟しているように思います。整形やアンチエイジングが身近になった分、いつまでも若い頃の自分にしがみつくのもどうなのかなって疑問を持つ人が増えているのかもしれません」(今井さん)
冒頭は、雨宮がかつてインタビューでフランス女性の魅力について答えた言葉だ。続けてこう語ってもいる。